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音楽とアンビエンス7 

シャカタク 『YOU NEVER KNOW』聴き比べ その4

2023-01-27-01_20230128001308c9b.jpg

4番目のリスニング環境は、上画像で部屋の一番奥に
配している5.1チャンネルサラウンドのリスニング環境です。

1番はじめの視聴ではテレビの音声だけを使用しましたが、
今回は5.1チャンネルのフルサラウンドのリスニング環境を
フルに活用してのリスニングとなります。

ちなみにAVアンプには、ソースのジャンルごとにエコーを
かけるなどのエフェクト機能があるのですが、こうした
機能はすべてOFFにしてあります。果たして、シャカタクの
『YOU NEVER KNOW』のリスニング結果は…

これまでの2チャンネル環境とは異なり、次元の違う音の像に
包まれている感覚があります。

これは上記の写真には写っていませんが、後ろ側の左右にも
それぞれ2WAYのスピーカーがあり、また、左サイドには
床置きのスーパーウーハーを配置しています。

そのため、リスニングポイントを中心に音が回り、更にアンプの
「MCACCシステム」が部屋の環境にサラウンド環境を合わせて
くれるので、雑味の無いクリアなサウンドに包まれている感覚に
なるわけです。

実はこのシステムで『YOU NEVER KNOW』を聴き終わった時、
一人のスタッフが「私が抱える寂しさは貴女には決して
わからないわ…」ではなく、「私が抱える寂しさは誰にもわから
ないわ…」の方がこの曲には合っているのではと言い出しました。

この曲が持つ孤独感は、もっと深いものではないのだろうか
という意見。この意見に他のスタッフも賛同するものの、
この違いはどこから…
この後、しばらくの間、意見交換が行われました……。

そして、このリスニングによる勉強会の趣旨である『音楽とアンビ
エンス』について、長老がこのような内容で締めくくりました。
それは『YOU NEVER KNOW』という曲の裏側に隠れている
「心のたたずまいとその深さ」こそがアンビエンスという独特の
世界観であり、そのアンビエンスの世界観は表面的な
テクニックでは決して表現出来るものではなく、アンビエンスの
表現如何で作品の評価は決まる、というものでした。

おそらく長老は、今回のリスニングを通した勉強会において、
表面的なテクニックに頼っている若いスタッフに対して
アンビエンスという世界観の大切さを教えたかったのだと思います。

メイクアップシールを発売して12年が経ちますが、確かに
アンビエンスまでを意識した表現がどこまで成されているかを
考えるとまだまだ未熟さを感じざるを負えません。

さて、次回からは音楽のリスニングからいったん離れて、
アンビエンスを意識した都心型ジオラマ製作の実践について
ご紹介していきたいと思います。
 
  

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Posted on 2023/02/16 Thu.   edit  |  tb: 0   cm: 0  

音楽とアンビエンス6 

シャカタク 『YOU NEVER KNOW』聴き比べ その3

2023-02-06-01.jpg

3番目のリスニング環境は、パソコンオンボードのサウンド
ではなく、PCIスロットに挿したサウンドカードに接続した、
2WAYのバスレスモニタースピーカーです。スピーカーの
大きさ自体が16cm×24cmと、前項のモニタースピーカー
よりも一回り大きいサイズとなっています。

元々このスピーカーは、楽器の一音一音を的確に
モニターするためのスピーカーなので、前項のモニター
スピーカーとは用途による趣が異なります。

由ってこのシステムにはMIDI関係の機材やエコーチェンバー、
ミキサーなどを接続し、作曲や1トラックごとの録音データの
確認や、部分編集に使用しています。


さて、シャカタク『YOU NEVER KNOW』のリスニングの結果…
スピーカーがバスレフ型であるため、キーボード・ベース
・ギター・ドラムスのすべての音が増幅されて、
どの楽器がどんな演奏をしているのかが解りやすい
というのが特徴的です。

しかし、演奏中の楽器同士の強弱による
駆け引き感が薄く、平面的に聴こえてしまうため、
都会特有の孤独感やその臨場感といった
アンビエンスの再現には不向きの印象を受けます。
演奏中の楽器同士の強弱による駆け引きによる
奥行き感が欲しくなるところです。

解りやすく感想を言えば、前項では
「私が抱える寂しさは貴女には決してわからないわ…」
という女優のぽつりと静かに呟くセリフを連想させましたが、
今回のリスニングでは同じこのセリフでもかなりはっきりとした
口調で言っているように連想されるため、ガラス細工の
ように精細な都会の孤独感が薄れてしまうように感じました。

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~トピックス~

近年のデジタル録音機器や編集ソフトの性能は
驚くほど高く、最近制作室で購入したPCMハンディ
レコーダーのノイズの少なさと感度の正確さには
驚きを隠せませんでした。

そこで早速、町中の雑踏をテスト録音。ところが初めて
使うPCMハンディレコーダーだったためか、録音した
町中の雑踏の音声は、雑踏感が薄いような、何かモノ
足りない雰囲気に。原因を探ってみたところ、どうも
録音レベルが低かったことが理由のようです。

2023-02-06-02.jpg2023-02-06-03.jpg

そこへ長老が顔を出し、登場したのがアナログの
ミキサーにイコライザー・エコーチェンバー・カセットテープ
レコーダー。長老は徐にカセットテープレコーダーに
カセットを入れ、ヒスノイズを録音後、PCMハンディ
レコーダーで録った町中の雑踏の音声とミキシングした
ヒスノイズだけをイコライザーで自然なレベルまで修正。
最後に町中の雑踏の音声に、エコーチェンバーで
僅かにエコーをかけ終了。

この音声をスピーカーで再生してみると、見事に町中の
雑踏感が再現されているではありませんか!
さて長老のこのやり方はプロのテクニックなのか、それとも
素人の思い付きというだけの粗暴な発想なのか……
皆さんどう思いますか?
 
 
    

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Posted on 2023/02/06 Mon.   edit  |  tb: 0   cm: 0  

音楽とアンビエンス5 

シャカタク 『YOU NEVER KNOW』聴き比べ その2

2023-02-02-01.jpg

2番目のリスニング環境は、パソコン用のプリメインアンプに
接続した2WAYのモニタースピーカーです。
スピーカーの大きさ自体が11cm×20cmと小ぶりなので、
重低音の再生は出来ませんが、良い意味で癖のない
音質が特徴です。
このシステムは『DVD鉄路の記憶』制作時に於いて、
YouTube出力時のレベル確認に使用しました。

さて、シャカタクの『YOU NEVER KNOW』のリスニング結果は…
僅かにキーボードがおとなしい印象があるものの、テレビの
音声時のような低音・高音の再生不足もなく、都会特有の
孤独感やその臨場感を再現しています。

特にキーボードが奏でる旋律を、ベース・ギター・ドラムスが
自己主張することなくさりげなく支えていて、その再現性に
嫌な派手さはなく、まさしく、長老の言っていた
「私が抱える寂しさは貴女には決してわからないわ…」
という女優のぽつりと静かに呟くセリフを連想させました。

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~トピックス~

長老の話によると昔、ヤマハNS-1000Mというブックシェル型の
スピーカーがあり、多くのレコーディングスタジオのモニター
スピーカーに使われていたそうです。

その音質はバスレフ型のスピーカーとは異なり、派手さの
ないしっとりとした音質だったそうです。
近年若い人を中心に、音楽のリスニング環境といえば
スマホの普及によりイヤホンが中心となっています。

アプリによるイコライザーなどの設定の仕方は人それぞれ
でしょうが、音声を簡単に誇張出来てしまうのが
スマホによる音楽リスニングの大きな特徴です。
制作室の若いスタッフも例に漏れず、こうした誇張された
環境で音楽を聴いているようです。

その為か、若いスタッフのメイクアップシールのデザイン感覚も
誇張気味なものが多く、長老にダメ出しされている光景をよく
目にします。

下記の画像はメイクアップシール、スシ24のレストエリアの
窓際の壁面照明のデザインですが、トワイライトエクスプレス
という品の高さを壊さないようにかなりコントラストを落とした
デザインにしています。

2023-02-02-03.jpg


2014-07-11-07.jpg

実は今回のリスニングに使用したスピーカーは、ヤマハの
NS-1000Mの流れをくむスピーカーで、当時のヤマハの
スピーカー特有のしっとり感を引き継いだ音質なのですが
スマホ世代の若いスタッフにとっては聴きなれない
音質なのかもしれません。


   

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Posted on 2023/02/02 Thu.   edit  |  tb: 0   cm: 0  

音楽とアンビエンス4 

シャカタク 『YOU NEVER KNOW』聴き比べ その1

2023-01-20-01.jpg

ここで少しだけシャカタクというバンドの説明と、その楽曲
『YOU NEVER KNOW』の楽器構成に触れておきます。

シャカタクは1980年結成のイギリスのフュージョンバンドで
現在も活動しているバンドです。
代表的なヒット曲には『Night Birds』『Invitations』
『Into The Blue 』『Golden Wings』などがあり、
『Into The Blue 』や『Golden Wings』は明石家さんまと
大竹しのぶが出演した「男女7人夏物語・秋物語」の
BGMにも使われました。

『YOU NEVER KNOW』は2008年に制作されたアルバム
「Drivin' Hard」に収録された曲で、どこか寂しげな都会の
表現を、透き通ったキーボードの音色にベース・ギター・
ドラムスが静かに絡でいる、ある意味ではシャカタクには
珍しい楽曲です。

なお、シャカタクの公式サイトで『YOU NEVER KNOW』が
ストリーミング出来ますので、興味を持たれた方は
聴いてみてください。

2023-01-30-02.jpg

さて、最初の聴き比べは、シャカタクの曲を5.1チャンネル
AVアンプを通さずにテレビのスピーカーのみによる
リスニングでしたが、その結果に一同驚愕・騒然。

キーボードはそこそこ良いものの、ドラムのスネアや
バスドラの音がまるでデンデン太鼓(?)のよう!
シンバルに至ってはタンバリン!長老の言う都会の
孤独感やその臨場感とはほど遠いものでした。
 
ちなみに一同が驚愕・騒然なった理由は、これまで
日常的に音響システムを用いて聴いていた音楽と、
テレビのスピーカーのみによる音楽の再現能力に
あまりの乖離があった為です。

しかし、よく考えてみるとテレビのスピーカーのみによる
視聴環境というのは、一般の私生活においては一番
身近なリスニング環境です。

同じ音源でも、再生環境や使用機材によって聞こえて
くる音楽の表情は全くの別物になってしまう。
先ずはテレビのスピーカーだけのリスニングを行ったのも、
そうした当たり前の事を実際の体験として、改めて
気付かせるためだったようです。

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~トピックス~

メイクアップシールでは床・座席・壁面のすべてに
シールを配しています。
実はHOの北斗星の床は当初、配色のみのデザインでした。
ところが長老からは絨毯の柄までデザインしろという指示が。

当時のデザイン担当のスタッフにとっては実現不可能な
レベルの無理な注文と思われましたが、悪戦苦闘の末、
下記の画像のような絨毯を作り上げました。

2015-11-20-43.jpg

今、思い返せば、デザイン担当スタッフの北斗星の
床に対する捉え方は、まさにテレビのスピーカーからの
ような単純な情報しかなく、北斗星の床の絨毯が醸し出す
雰囲気までは意識してなかったのは事実です。

長老はソフト上での画像処理に於けるテクニックを
教えることはありません。
長老曰く、そのようなテクニックは視覚・聴覚などの
感性が自然と創りあげてくれるもので、テクニックだけを
学ぶのは愚の骨頂!!だそうです。
 
    

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Posted on 2023/01/31 Tue.   edit  |  tb: 0   cm: 0  

音楽とアンビエンス3 

~リスニングする音響機材~

「Shakatak(シャカタク)」の『YOU NEVER KNOW』を
再生環境を変えての聴き比べ…の前に、本日は制作室で
使用している音響関係の機材を説明しておこうと思います。

2023-01-27-01_20230128001308c9b.jpg

制作室は上記の写真のように、撮影用のジオラマが部屋を
一周するように囲んでいます。

その一番奥に、まるで部屋の主のように存在しているのが
リスニング専用の5.1チャンネルのAV機器で、部屋の
壁面には5台のパソコンとその周辺機器が所狭しと
並んでいます。

5台のパソコンには編集用の音響システムが接続されており、
あえて大きさの異なるスピーカーを接続することで、
お客様ごとにそれぞれ異なる再生環境を想定して
モニターが出来るようにしてあります。

2023-01-27-02yamaha.jpg2023-01-27-03EDIROL.jpg

今回の再生環境を変えての聴き比べは、まずは
リスニング専用の5.1チャンネルAV機器を通さずに、
テレビでの音声再生のみとしたもの。
次に上記した2種類のパソコンに接続された、
編集用の音響システム。
そして5.1チャンネルAV機器フル再生、という
合計4種類の再生環境での聴き比べとなります。

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~トピックス~

上記の説明の中での音響編集用システムを接続した
5台のパソコンは、ノイズ対策と効率的な編集作業を意識し、
すべてオンボードサウンドではなく、PCI接続のサウンド
カード、もしくはUSB接続による外付けのサウンド
インターフェースによる再生環境を構築。

こうしたPCやその周辺機器には、メイクアップシール
作成時に於ける画像処理という環境でも機材の高い
スペックが要求されます。

2023-01-27-05.jpg2023-01-27-04.jpg

例えば、CPUの性能やメモリの容量はもちろんですが、
それ以上に求められるのが、グラフィックカードと
ディスプレイによる色再現の忠実さと、メイクアップシールの
細密なデザイン描写に追従できるプリンターの描画性能です。

特にこれらの条件を満たしてくれるEIZOのディスプレイと
EPSONのオール顔料インクプリンターの組み合わせは、
キャリブレーションも執り易くメイクアップシールの細密な
デザインには欠かせないシステムとなります。

    

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Posted on 2023/01/29 Sun.   edit  |  tb: 0   cm: 0