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181系・485系全盛期の鉄道車両の風景 

全回、前々回と2回に分けて181系485系について特集を組みました。
今回は181系485系全盛期の頃に、その主役たちの陰に隠れ、
わき役として存在した急行電車165系・455系・475系
にスポットを当てたいと思います。

181系「とき」全盛の頃、そのわき役として存在していたのが165系
急行「佐渡」です。先頭車にはヘッドマークを掲げ、ビュッフェのサハシに
2両のサロを加えた13両編成のその存在は、「とき」のわき役どころか
立派な主役的存在で、上野-新潟間を「とき」とほぼ同等の本数で、
その役割を担っていました。

この頃の165系をはじめとするダイヤ上の特急を補完する急行電車は、
所要時間と座席の構造こそ特急には劣るものの、グリーン車の両数や
ビュッフェの採用など同線区を走る特急に引けを取らないサービスを
提供していました。
この急行「佐渡」のような存在は、全国の幹線にも受け継がれ、特急にも
負けない存在感を放っていたものです。

この春発売された181系「とき・あずさ」や485系を所有している方には
ぜひこの時代の鉄道車両風景として165系・455系・475系も
お勧めしたい車両たちです。
2013-08-24-01-181・165
奥:165系急行「佐渡」  手前:181系特急「とき」

2013-08-24-02-481・475
奥:475系急行「ゆのくに」  手前:485系特急「雷鳥」

―――――――――――――トピックス―――――――――――――
181・485系全盛期は、ちょうど山陽新幹線が岡山まで開通した頃
である。この頃の昼間の座席特急はL特急化され、幹線によっては
1時間に1本という間隔で同一名の特急電車が運行されていた。
また、その合間を縫って、かなりの本数の同一名の急行列車(電車)が
ダイヤに乗せられ、今ではほとんど消滅してしまった急行列車が
眩いほどの存在感を放っていた時期でもある。

今の20代、30代の方には想像もつかないかもしれないが、
そのころの庶民感覚では、特急よりも急行の方がより身近な
存在であり、ある意味では特急は富裕層が利用する存在
であった。
これは当時の社会の仕組み(会社の仕組み)としても、出張時における
特急利用は役職制限があり、例えば課長以上しか使用できない
といった会社も多かった。

こうした社会の仕組みが急行をより庶民的な存在にした為に、
東京-西鹿児島間の急行「桜島」や、上野-青森間の急行「八甲田」
といった長距離の座席急行がごく当たり前に存在感を示しており、
また、上野-一関といった普通列車でありながらかなりの長距離を
走る普通列車も存在し、それなりの乗車率を誇っていたものである。

追記しておくが、これらの急行列車の普通車の座席は昔ながらの
ボックス座席で、その長時間座り続けた時の何とも言えぬ
座り心地の悪ささえもごく当たり前に受け入れられていた、
そんな時代だった。
―――――――――――――――――――――――――――――――

485系ボンネット型が電気釜型にその容姿を変える頃、それまでのクイーンとして
存在してきた485系とは異なり、全く新しい価値観の昼夜(昼間は座席特急、
夜は寝台特急)兼用の581系・583系がお目見えしました。
特に東北筋では「はつかり」「ひばり」などが一部の485系からその座を奪い、
この頃の上野駅の地下ホームは、クリームとブルーの衣を纏った583系という
新たなクイーンの登場により、一層色鮮やかに彩られたものです。

しかし特急車両としての583系の需要は短く、その運用は「津軽」などの
急行電車に格下げされ、再び485系がクイーンの座に返り咲きました。

今回は181系485系のわき役としての急行165系・455系・475系の話題なのですが、
485系の主役を脅かす存在として登場した581系・583系は最後には主役を張れず、
かといって165系・455系(475系)のようにわき役に徹することもできず、最終的に
1部の編成は団体専用及び急行「きたぐに」用として生き残ったものの、大半の
車両は715系などといった普通列車用に改造されるという末路を辿りました。

筆者としてはこの581系・583系は、筆者のレイアウト上ではあくまでも
特急電車にふさわしい雄姿として走らせたい車両です。
2013-08-24-03-485・583
奥:485系特急「ひたち」  手前:583系特急「ゆうづる」

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KATO用 国鉄165/457系電車 8両セット \2,310

tocmus583012.jpg
KATO用 583系寝台客車 9両セット \2,310

メイクアップシール詳細は左のカテゴリーなどを参照にしてください。


>>>ホームページ



   

category: 寝台特急個室考

Posted on 2013/08/24 Sat.   edit  |  tb: 0   cm: 0  

~受け継がれたフォルムと内装の進化 その2~ 

◎民営化の流れの中の485・489系◎
1987年、国鉄が民営化されると、全国の優等列車は、各JR会社ごとの
塗装を施すようになりました。

2013-08-18-01.jpg

上記の写真のようにJR東日本所有の489系は、あさまカラーが
施され、また、151系「こだま」から受け継がれてきたエンブレムが
外されました。
このことは、栄光の「こだま」の終焉を物語るといってもいいのでは
ないでしょうか。
またこの頃、アコモを含む内装も各JRごとに独自に一新されていきました。
今回は非ボンネット489系「あさま」とボンネット489系「能登」・183系
「たんば」「まいづる」のメイクアップシールを使い、どのように内装が
一新されたのかについて触れていきたいと思います。

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489系 急行 能登 9両セット
183系 特急電車 たんば4両+まいづる3両
JR 489系 特急電車 あさま(仮)



◎489系 リニューアル「あさま」

489系は難所である碓氷峠をEF63と連結して走行する協調運転用特急形電車の
として1971年位485系をベースに製造された車両です。
中でも489系「あさま」は、1973年に特急「白山」の間合い運用として投入されました。
元々は直流用の183系ベースの189系特急形電車が投入されていましたが、
北陸圏へも走行できるように交直流両用の489系が製造されました。
1994年11月からは塗装が「あさま」専用色となり、189系と外観が統一されています。
2013-08-18-03-300-moha.jpg
489系300番台 モハ484

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489あさま モハ488

上記の写真ではなかなか細かいところまでお見せできないので少々
アップ画像で説明しましょう。
2013-08-18-05.jpg
左:485系300番台普通車座席 右:489系あさま普通車座席

上記の写真のように民営化後、国鉄ブルーと称するモケット色が、JRごとに
また線区ごとに様々なモケットカラーが誕生するようになりました。
上記の右側の写真は「あさま」に使用されていたモケットで、
実際国鉄時には想像もつかなかったほどの明るいモケット色が
JRカラーとして誕生することになりました。
(上記の「あさま」モケット色の実車はもう少しくすんだ色をしていますが、メイクアップ
シールでは模型に貼付した際メリハリがつくように敢えてやや強めの色に設定してあります。)


また、座席の改造に伴い、客室壁面、デッキ壁面も国鉄時代のものから
アコモ改造が施されました。

国鉄末期の頃は、特急車両に乗り込んだ時に、車内壁面から受ける
古さは否めなかったことを記憶しています。
しかしJRになって外装も含めたリフレッシュ工事が行われ、この古さが
一掃されたように感じます。
この489系「あさま」の場合、車内壁面は薄いクリーム色となり、
全体的に明るくなったことから、車内においての閉塞感がかなり
緩和されたように思えます。
ただしデッキにかんしては国鉄時代のままで、露出型のダストボックスも
そのまま残る形となりました。

2013-08-18-06asama-ga.jpg
2013-08-18-07asama-kuha.jpg2013-08-18-08asama-moha.jpg

また、サロの壁面もデッキ壁面自体は国鉄時代のデッキからは
あまり変更されていないながらも、室内壁面が改造されており、
室内ドアが大きくなり、明るめのカラーリングが施されています。
2013-08-18-09asama-saro.jpg2013-08-18-10asama-saro.jpg
2013-08-18-11asama-saroga.jpg


◎腐っても鯛 能登489系
 
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1997年特急「白山」が長野新幹線開業により廃止されると、
それまで「白山」との共通運用だった急行「能登」は、車体上部の
赤いラインが削除され、定期運用においては「能登」専用になりました。
これまで、昼間の座席特急においては女王的な存在だったボンネット型は、
この赤いライン(雨樋)が省かれたことによって、まさにティアラを外された
女王の様に見え、多くのオールドファンを嘆かせたものでした。

しかし特急エンブレムがかろうじて残されたことは、せめてもの救い
といった所でしょう。
2013-08-18-13.jpg

さて、「能登」の内装ですが、普通座席はクハとモハで座席が分かれており、
クハは基本ベースがR55系列シートを、モハにはR51簡易リクライニングシートに
背面テーブルを設置するなど多少のアコモ改造を施したものが使用されています。

また、肘掛けの色が茶色いものと青いものがあり、青い肘掛けの座席は、
もとは青いモケットだったのを、モケットだけ他の車両に合わせて茶色に
貼り替えたために、肘掛けだけが青く残ったものです。メイクアップシールでは、
その肘掛けの違いまで明確に再現しました。
さらに485系時の雷鳥の内装ともほぼ同等のアコモ改造がなされています。
(雷鳥は基本的に、普通座席全般がR55系例シートへ換装が行われていますが、
連結される車両によってはR51を簡易改造したものが使用されることもあります。)
2013-08-18-14ga.jpg

左:クハ R55   右:モハ R51 


「能登」の内装はデッキ部分も含めJR発足からかなり時間を経たこともあり、
多々リメイクが見受けられるようになりました。
特にモハ等の客室側の壁面は、全面淡いパステルカラーを導入し、
通路ドアはステンレス製ではなく、緑や茶色などの従来の電車には
用いられなかったドアが使用されています。
「あさま」では室内壁面を明るくし、ドアにカラーリングを施す程度の
改造だったのが大々的に改造が施され、座席シートの居住性の高い
雰囲気に合わせて、ゆとり感を感じさせるようなイメージを受けるようになりました。
2013-08-18-15noto-moha.jpg2013-08-18-16noto-moha.jpg

デッキ壁面も、「あさま」では国鉄時代そのままの壁面だったのが、カラーリングを
変えよりスタイリッシュに改造。ダストボックスの形式も従来の露出型ながら
そのデザインを変更し、スタイリッシュなものになりました。
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489系「能登」 モハ壁面

・サロ489 
489系能登のグリーン車の座席は、国鉄形のグリーン車座席を
代表するR27系列シートが、基本的な仕様はそのままに多少の
アコモ改造が施され、使用されました。
これはJR東日本に所属していたなら座席ごと新しい席に変わるところ、
JR西日本であったことから基本仕様そのままの多少の改造で
使用されるようになったようです。
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さて、外装としては赤いラインを外され、まるでティアラを外された
女王のようだという表現をしましたが、ティアラを外されクイーンと
しての地位が下がってしまっても女王であったという事実は変わることはなく。
女王としての気品は内装としてしっかりと残っていました。


◎形式変更で生き残った485系「たんば」「まいづる」「北近畿」

北陸本線で使用されていた485系「雷鳥」「しらさぎ」といった主要特急の
車両は、681系に順次置き換えられていきました。
その結果、廃車を免れた一部の485系は山陰本線・福知山線
「北近畿ビックXネットワーク」で活躍するように交流機器を取り外しました。
交流機器を取り外したといっても、外観上のその容姿は
485系のままで(電動車の屋根上、交流用碍子など)、
183系という形でその命を長らえました。
2013-08-18-21.jpg

それと同時に、内装・外装共に大きなモデルチェンジが行われました。
外装は写真のようなベージュを基調に茶色とブルーの帯で彩られた
車両と、国鉄カラーに赤ラインを一本足した「北近畿」カラー。

さて、485系を生かしたまま改造されたのはなにも外装だけではありません。
内装も同時にリフレッシュ改造が施され、普通車の座席は485系の改造で
よく使用されるR55型と、R51系列の改造版の2タイプが車両が混在しています。

2013-08-18-22tanba-moha.jpg2013-08-18-23tanba-moha.jpg
クハ・モハR51

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クモハR55
2013-08-18-26tanba-ga.jpg
左:クモ・モハ座席 右:クモハ座席  
クハ・モハの座席シートの方は、JR西日本を代表するモケットカラーで、
キハ181系「はまかぜ」にもアコモアップされてこのモケットシートが使用されました。

上記で説明したR51とR55の混在ですが、実は編成に含まれている
クモハ183-200番台のみがR55座席シートを使用しています。
これは北陸本線「スーパー雷鳥」付属編成用としてモハ485を
先頭車化したもので、この時「スーパー雷鳥」用指定席のシートピッチが
1010mmだったため、これに合わせ座席がR51からR55に変更になりました。
その後、クモハ485系200番台の183系化に伴い、R55座席シートを
そのまま流用した、このような混在する結果になりました。

また、グリーン車のクロは、281系「はるか」と同じ座席が搭載されており、
現在のグリーン車の典型的なスタイルである2+1座席が搭載。
雰囲気も落ち着いたシックな雰囲気を醸し出しています。
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さらに、壁面に関しても車内壁面が淡いパステルカラーへとカラーリングを
変更したほか、ドアの幅が広くなり、全体的に解放感ある空間へと改造を
施したことが見て取れます。
また、デッキ壁面は消火器の設置場所が移動するなど、視覚的にも随分
シンプルナイズされています。
ダストボックスは489系「能登」と同じデザインの露出型のものですが、
シンプル化したデッキに一種アクセントのような形で存在を主張
しているようにも感じます。
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クロ壁面
2013-08-18-32tanbaga.jpgクモハ壁面
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モハ壁面
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クモ壁面


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※現在発売準備中のTOMIX489系「あさま」用メイクアップシール
TOMIX489系「あさま」用メイクアップシールに関しましては
現在準備中ですので、もうしばらくお待ちください。


ホームページ>>>


   

category: 寝台特急個室考

Posted on 2013/08/18 Sun.   edit  |  tb: 0   cm: 0  

~受け継がれたフォルムと内装の進化 その1~ 

洗練された優美なフォルムを持って、昭和33年に衝撃デビューを果たした
151系こだま型特急電車車両。
そのフォルムと俊足のDNAを持って受け継いだ181系。
そしてこれらを全ての功績を踏襲しつつ、約50年という長きに渡って、
(ボンネットが非ボンネットに変わるなどはあったが)基本的な外観の
フォルムが変わることなく進化という形でつい最近まで走り続けてきた485系。

2013-08-14-02packi.jpg
「181系 とき・あずさ 基本6両セット」
「国鉄485・489系 初期形 雷鳥・白山・あさま 12両セット」
「国鉄485系 300番台 8両セット」


当時は近代的な電車特急というと、華々しく活躍した151系のイメージが象徴と
なっていたことから、車内の座席を含めた車内の内装もそのイメージに合わせ、
特急らしい風格が感じられるスタイルが求められました。
中でも特急電車は高度経済成長期と密接に関わっており、折しも1964年、
481系(その後の485系)が製造された当時は東京オリンピックが開催された
年でもあることから、観光客などを中心とした輸送率に力を入れていた
時期でもありました。

そして約半世紀にわたる時代の移り変わりの中、文化の成熟度が増していき、
特急列車が持つ特別なイメージはそのまま引き継がれつつも、利用者の利便性や
快適性を求めるニーズに合わせて座席のリクライニングシート化、シートピッチの
拡大、車内設備などの内装の変更など、進化し続けてきました。

今回はこの走り続け進化し続けたこれらの電車の内装がどのような進化を遂げて
いったのか、181・485系列電車のメイクアップシールを使用しつつ
進化の様子について触れていきたいと思います。

2013-08-14-01-2pack.jpg
489系 急行 能登 9両セット
183系 特急電車 たんば4両+まいづる3両
JR 489系 特急電車 あさま(仮)


◎181形◎
181系の内装は、そのほとんどが151系を踏襲し、たとえばT17型シート、
空調機械室、トイレ洗面所の配置位置など、151系のまま使用されています。

ここでは普通車に採用されたT17型座席について触れたいと思います。
T17型座席は、ロマンスシートの通称で呼ばれる進行方向に向う座席に
座りたいという乗客の要望に応えつつ、電車の折り返し運送をよりスムーズに
行うために誕生した回転式腰掛でした。
日本で1番始めに採用したのは、近鉄ビスタカーでしたが、この革新的技術は
ビジネス特急の3等車にも取り入れられ、国鉄側、乗客側双方のニーズに見事
応える便利な座席として後にリクライニングシートが導入されるまで国鉄
特急電車のスタンダード座席として活躍しました。
またこのT17型座席は485系の初期形まで採用されていました。
2013-08-14-03-181moha.jpg2013-08-14-04-181moha.jpg
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・181系 グリーン車(モロ181)
モロ180・181は、モロ151の改造車で、改造は床下機器に集中した結果
車内アコモ変更はほとんど行われず、その結果、ビジネスデスクや
荷物保管室といった151系の特徴はそのまま踏襲されることとなりました。
ただし、座席に関しては少々のアコモ改造が行われました。
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2013-08-14-07-181moro.jpg2013-08-14-08-181moro.jpg
座席シートは、151系と同じR17型ですが、シートラジオが撤去され、
切り替えスイッチの後にはふたが設けられました。
また、R17型の特徴だった差し込み式テーブルから、引き出し式テーブルに
変更された為、資料によってはR17型ではなく、R24型と明記されている
事もあるようです。
ただしこのテーブル変更が行われなかった車両もあり、事実上
2種類の座席シートが混在する形になりました。


◎485系 初期形◎
基本的には181系の内装を踏襲していることから、座席シート車内壁面など、
ほぼ同等の作りとなっています。
ただし181系と異なるのは中間車のトイレ・洗面の位置が左右逆になりました。
また、181系ではデッキに配備されていた消火器が露出型だったのに対し、
485系では壁面埋め込み式に変更になりました。
その他配電盤を収納している扉の位置や排気口などに変化があり、
よりメンテナンスの利便性を追求した進化が見られます。
この辺の微妙な違いにこだわる模型ファンには、興味深いところです。
メイクアップシールでも、この微妙な違いを再現させています。
2013-08-14-09-485raimoro.jpg2013-08-14-10-485raimoro.jpg
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室内壁面が下半分木目調で、151系「こだま」から踏襲された国鉄の
スタンダードな壁面をしています。


・サロ481
サロ481系は181系とは配置が異なり、荷物保管室も廃止され、専務車掌室
などが新たに追加されました。また、室内壁面も全面木目調と変化しています。
2013-08-14-12-300saro.jpg2013-08-14-13-300saro.jpg
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座席シートは181系のR17型からR24型にアコモアップ。モケット柄は当初
181系と同じワインレッドと黄色のストライプ調のものを採用していたのですが、
後にワインレッド単色のものに変更されていきました。
メイクアップシールでは181系と差別化する為にワインレッド単色のものを
採用しています。
2013-08-14-15-181moro.jpg2013-08-14-16-181moro.jpg
モロ181 座席

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サロ481系 座席
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左:モロ181 右:サロ481


◎485系 後期形◎
181系から7年。481系から8年。485系後期形がそのフォルムを一新されました。
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それまでのボンネットスタイルを脱却し、183系や583系の電気釜フォルムを採用した
200番台以降の車両が後期形と呼ばれています。
485系後期形は、それまでのボンネットに納められていた発電機を、車両先頭に
取り付ける必要が無くなったことにより生まれたスタイルで、乗客定員数を
増やすことにも成功しています。ちなみに、ボンネット車両で一際目を引いた
屋根上の大きなキノコ型クーラーが、小型化されたAU13形に置き換わったのも
大きな特徴です。

また、中間車においては冷房機器の設定変更により、冷房装置収納機器室と
業務用室の廃止から、定員が8名増の72名になりました。
その為、初期形とは内部構造が異なります。また、客室壁面の木目調が廃止され、
その容姿はかなりシンプルに見えます。
加えて大きなアコモ編成として座席シートのリクライニング化が普通車として
初めて行われました。
2013-08-14-21-300moha.jpg2013-08-14-22-300kuha.jpg
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後期形になってかなり内装が変化しているが、151系から続くデッキに
設置されているダストボックスはそのまま残っている。

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・サシ481
サシ481(前期・後期)は基本的構造はサシ151に準じていますが、新たに
調理機器に電子レンジが初めて加わった車両になります。
ただし食堂車壁面はサシ181、サシ481前期サシ481後期では若干の差異が
ありましたが、メイクアップシールではこの違いを明確に表現しています。
また、食堂内イスがFRP製に変更にされました。
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サシ181
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サシ481-300番台
サシといえば電気コンロ。メイクアップシールではこの電気コンロの
デザイニングにかなりこだわりました。
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181系の食堂車壁面にある穂高岳がデザインされたレリーフも再現。


その2に続く



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Posted on 2013/08/14 Wed.   edit  |  tb: 0   cm: 0  

カシオペアと北斗星を比較してみて パート3  


「カシオペア」と「北斗星」のHOゲージを使っての内装比較も
今回取り上げる食堂車が最後となります。

ビュッフェも含めればすべての優等列車に連結され、
利用者の社交の場として広く支持を得てきた食堂車。
富塚通信でも度々触れていることですが、今や食堂車自体が希少な
車両となり(食堂車の連結は「カシオペア」「北斗星」「トワイライト」のみ)、
定期列車に限っていえば「北斗星」だけという何とも寂しい状況と
なってしましました。
もはや食堂車は、豪華寝台特急だけの専売特許となっています。

さて、そんな食堂車ですが「北斗星」の食堂車は「グランシャリオ」。
それに対して「カシオペア」では「ダイニングカー」と呼ばれています。

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カシオペア 食堂車 ダイニングカー


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北斗星 食堂車 グランシャリオ


マシE26とスシ24の車内全景です。こうした視点を楽しめるのも
模型ならでは。ちなみに模型をみると一目瞭然ですが、カシオペアの
マシE26の車両構造を2階建てにして、食堂スペースと通路を分離させる
ことにより、食堂内の乗客の往来を無くしたというのは、「北斗星」の
スシ24から得た教訓をきちんと活かした好事例でしょう。


2013-06-01-05.jpg2013-06-01-06.jpg
カシオペアのダイニングスペース

2013-06-01-07.jpg2013-06-01-08.jpg
北斗星のダイニングスペース


食堂車のお洒落度合いをあれこれ比べるような野暮なマネはいたしませんが、
メイクアップシールでは、「北斗星」「カシオペア」ともにムードを意識した
シールデザインを行心掛けました。特に「カシオペア」と「北斗星」の両者の
違いをデザイン上如何に作り分けるか、全体的な雰囲気を確認しながら製作を
進めました。

さらにシール製作に関して言えば、マシE26は1両しか製造されておらず、
室内内装も基本的に大きな改良は加えられていないので、シール化の為の
資料収集は比較的楽だったのですが、対して「北斗星」スシ24は大変でした。
スシ24は、サシから食堂車に改造され、それがさらに「北斗星」運行用に
豪華食堂車に改良された経緯があり、しかも運用に必要な7両が製造された
ことも相まって、スタッフが資料を調べていても「これは何時の何号車の
内装だろうか?」と確認に膨大な時間を要したのは好い思い出です。

またシールデザインの作業中、何を勘違いしたのか現行編成では存在しない
「北海道仕様」のスシ24の内装をデザインしていたというのは、今だから
明かせる製作秘話だったりします。
ちなみにメイクアップシール「24系 北斗星 基本セット」に含まれている
スシ24は507番台を再現してあります。

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上野駅で北斗星を見に行った際にたまたま来たのも507番でした。


今度は食堂車のもう一つの魅力、厨房部分です。
鉄道ファンには食堂以上に気になるスペースですよね。

そんな厨房もメイクアップシールでは食堂スペースに負けない
こだわりを持って再現を行っております。

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カシオペアの厨房部分

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北斗星の厨房部分

厨房へは列車に乗車しても、当然立ち入ることは出来ませんので
シール化のデザインは書籍や雑誌等の写真や資料を参考に製作する
ことになります。

業務用のコーヒーメーカーと電気式コンロ、そして大型冷凍庫。
シールを貼ると厨房もなかなかに魅力的です。惜しむらくは、ボディを
被せてしまうと厨房内を殆ど窺い知ることが出来ないことです。
特に「カシオペア」のマシE26は残念なくらい厨房内が見えません。
マシE26の厨房内のシール貼りはもはや完全な自己満足なのでした(でも、
このこだわりが良いとお客様には意外と好評だったりもします)。


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北斗星 グランシャリオ 入口通路

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カシオペア ダイニングカーの両サイドにある通路 

食堂車の比較のラストに通路の比較です。「北斗星」のワインレッド調の
壁面が印象的。カシオペアのマシE26は他の車両と統一感を持った木目調
壁面ですが、2階と階下という立体通路が特徴的な構造となっています。

北斗星の食堂車スシ24に関して言えば途中でも少し触れましたが、
サシ481/489の改造車の為、オハネフ、オハネ、オロネ、オロハネそして
カニと北斗星編成を眺めてみた時に、スシ24のフォルムのみ他の車両とは
全く異なったスタイルをしています。特に元車であったサシの面影を
そのまま残す車高の低さや、あの大きなベンチレーターはまさにスシ24が
北斗星の異端児であることを雄弁に物語っています。

「カシオペア」のマシE26にしても、「北斗星」のスシ24にしても食堂車
自体は列車の顔になることはなくとも、模型の編成上、食堂車を連結して
いるのと、いないのとでは不思議なものでビジュアルに大きな差が生まれます。
まさに食堂車は寝台列車のバイプレーヤーと言えるでしょう。


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さて、これまで複数回にわたってHOゲージ「カシオペア」と「北斗星」を
使った車内比較を行ってきましたが如何でしたでしょうか。
本ブログをご覧いただいて、もしくはメイクアップシールをお求め
頂きました上で「カシオペア」と「北斗星」の内装を比較しつつ、
北の夜空へと続く2本の列車の物語に思いを馳せてみるというのも
乙な休日の過ごし方なのではないでしょうか。



◇◇お客様へお知らせ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

好評発売中のHOゲージ対応カシオペアメイクアップシール
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「JR E26系 カシオペア 基本セット 4両」
\10,500
「JR E26系 カシオペア 増結セットA 4両」\9,870
「JR E26系 カシオペア 増結セットB 4両」\9,870

ですが、現在店頭での在庫が品薄となっております。
ご来店の上、ご購入をお考えのお客様は、ご来店頂く前に
お電話にて在庫の確認の程、宜しくお願い申し上げます。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


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Posted on 2013/06/01 Sat.   edit  |  tb: 0   cm: 0  

カシオペアと北斗星を比較してみて パート2 ~後編~ 

前回に引き続き「カシオペア」と「北斗星」の個室の比較をして
いきたいと思います。

さて、前回は「北斗星」の「ロイヤル」と「カシオペア」の「スイート」の
比較をお届けしましたので、今回は「北斗星」の「デュエット」及び「ソロ」と
「カシオペア」の「ツイン」を比較していきます。

2013-05-28-01.jpg2013-05-28-02.jpg
北斗星 デュエット 

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北斗星 ソロ

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カシオペア ツイン
左:リビング敷居壁面なし 右:リビング敷居壁面あり


現行「北斗星」においては、年代的にも室内内装を新しくリメイクした
車両が殆ど(ほぼ全車両で間違いはないと思うのですが、確実なデータが
ありませんので、敢えて断言はしておりません)で、「トワイライト」の
影響なのか、はたまた時代の流れなのか、登場時に比べ比較的室内の
トーンが淡い感じの色調に統一されています。
但し、木目調などの壁面などには、「北斗星」初期の頃の名残が残っており、
「トワイライト」などの新しい寝台列車に比べると濃いブラウン系の
木目調壁面が80年代という年代を雄弁に物語っているようです。

また、室内空間に関しても「北斗星」は「カシオペア」よりも圧迫感が
あるように感じます。「カシオペア」の広々とした空間という宣伝文句も
伊達ではありません。

筆者などは「北斗星」の普通個室のシンプルなデザインも割と良いと思うの
ですが、やはり「カシオペア」の方がデザイン的に見ても洗練された車内
スペースであると言えます。
そういえば、「カシオペア」のデザイン企画チームのアドバイザーか何かに
フランス人女性のデザイナーの方も参加していたという記事を目にしたことが
あります。その方の影響が、車内デザインにどれくらいまで及んでいるのかは
分かりませんけれども、「カシオペア」にはどことなく西洋風な面影がある
ような気がしないでもありませんね。


さて、メイクアップシールは車内内装という事で個室シールがメインで
ある事に変わりはありませんが、個室と並ぶもう一つの主役シールが
あります。それが、個室前通路の壁面フィルムシールです。
折角なので、「北斗星」のロイヤルとB寝台、「カシオペア」の
スイートとツインの壁面をご紹介します。

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北斗星 ロイヤル個室の通路

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カシオペア スイート個室の通路

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北斗星 オハネ個室の通路

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カシオペア ツイン個室の通路


通路側の壁面シールはシールの面積そのものも大きいので、貼った時の
インパクトがとてもあります。しかも車両ボディの窓ガラスが大きい
ことも多いので、メイクアップシールを貼ってボディをかぶせた後に、
1番良く見えるのがこの通路側の壁面。

だからこそ、実車ごと、車両ごとの違いを出来るだけ的確にデザイン、
表現できるよう気を使う箇所でもあります。



余談になりますが、こうして客室比較で「デラックス」「ツイン」「シングル」
と打っていると、あの寝台列車のことも気になってきますね。

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JR西と東海の誇る285系「サンライズエクスプレス」

実車の稼働率もなかなかの人気列車となっています。運行開始が2000年と
カシオペアと1年違いであること。内装のデザインに豪華とは異なるシンプルさを
追求したデザインを取り入れているといった点などから、カシオペアや北斗星の
比較とは、また違った視点から挑戦してみるのも面白いのではないかと考えてしまう
車両です。

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左:サンライズ最上位個室のオロハネ 右:サンライズのサハネ個室

そんなサンライズですが、実車の人気が高いことから考えてみても、
メーカーの方でHOゲージ化の検討は行っているのではないでしょうか。
恐らく次はトワイライトでしょうけれども、その次くらいの候補には
挙がっていてもおかしくないのではと考えているユーザーは多いはず!


閑話休題。話を「北斗星」と「カシオペア」に戻します。
寝台客室の最後にこれを紹介しないわけにはいきません。
「カシオペア」にはスイート展望室があるのに対して
「北斗星」にはコレがあります。

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B寝台コンパート 左:JR東日本仕様 右:JR北海道仕様

「カシオペア」がオール寝台個室なのに対して「北斗星」がほぼ個室寝台と
呼称されるそもそもの所以、Bコンパートです。「北斗星」が24系客車の系譜を
引いているからこその客車でもあります。

筆者などは旅情などと聞けば、どうしてもBコンパートの寝台を連想して
しまいます。あくまで「カシオペア」のスイートやツイン個室などは旅行で
あって、旅情とイメージが結びつかないのですが、これからの若い世代の人に
とっては、旅情と聞いても「カシオペア」の個室が思い浮かぶようになるの
かもしれません。

また、このコンパートのベッドは、車両の所属によってモケット柄が異なります。
「北斗星」の場合、JR東日本とJR北海道がそれぞれ独自のモケット柄の
ベッドからなるオハネフを所有しています。
どうしてこのような状態になったのか個人的にはとても興味があるところでも
ありますが、何にせよ各グループで独自色を打ち出していくのは面白いことです。



と、ここまで各個室の北斗星、カシオペアの車内内装における視覚的な
違いを比較してきましたが、カシオペアには目に見える部分以外にも
豪華寝台の名に相応しい配慮がなされています。

その1つが、夜の旅を楽しむ為の走行時における静粛性です。ステンレス
ボディによる軽量化に伴い、安眠の妨げとなる走行音の軽減を実現した
だけではなく、各個室に備え付けられている水回りの排水音も可能な
限り耳に入らないよう設計段階から計算したという話を聞いたことが
あります。また、カシオペアには2段ベッドは一切採用されていません。
これは利用者層の年齢も考慮に入れた上での配慮によるものです。


いつぞやの富塚通信のカシオペア関連の記事でもご紹介したことがあった
と思いますが、カシオペアの客室コンセプトは「豪華さ」ではなく
「エレガントさ」を追求したものです。
確かに「豪華さ」だけでは見た目だけという印象がしますが、
「エレガント」という言葉の持つイメージには、装いや佇まいといった
行動面などの有り様も重要なファクターとして認識すべき対象として
含まれているような気がします。
これが決して単なる言葉遊びではなく、明確に設計・製造されたのが
E26系カシオペアであり、今なお日本を代表する最上級寝台列車である
秘密の一端なのではないでしょうか。

実車の車両がどういったコンセプトや製造理念に基づいて設計されて
いったのか。また、実際に利用者にはどのように受け入れられ、そして
どのような影響を与えたのか。
今回の北斗星とカシオペアの関係性だけを捉えてみても、そこには
列車特有のドラマがあります。列車はヒューマンではありませんので、
強いて言えばレイルウェイドラマとでもいったところでしょうか?
冗談は置いておくにしても、こうした情報を正しく理解することは、
シール製作のデザインにも不思議と大きな作用を伴って表れてきます。
そうしたわけで、製作スタッフも日々実車の情報収集を欠かすことは
できないのでした。


さて、以下宣伝です。今回は、Nゲージ仕様のカシオペアです!

大人気の為、昨日まで売り切れとなっていましたKATO対応の
メイクアップシール。大変お待たせして申し訳ありませんでした。
「カシオペア」対応メイクアップシール本日から発売再開です。
2013-05-28-16.jpg

「E26系カシオペア 基本6両セット」\3,360
「E26系カシオペア 増結6両セット」\2,940

もちろんTOMIX用Nゲージ「カシオペア」対応のメイクアップシールも
好評発売中です。

2013-05-28-17.jpg

「JR E26系 カシオペア 基本6両セット」\4,410
「JR E26系 カシオペア 増結6両セット」\4,620


また余談で友情出演してくれたNゲージ用「サンライズエクスプレス」
対応のメイクアップシールです。

2013-05-28-18.jpg 

「24系 寝台特急 トワイライトエクスプレス 基本6両セット」\3,570
「24系 寝台特急 トワイライトエクスプレス 増結4両セット」\2,940

現役で活躍している各寝台列車完全対応のメイクアップシール。
メーカー、車両のゲージを問わずメイクアップシールを展開中!
お気に入りの寝台列車の個室内装にメイクアップシールを是非どうぞ。

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Posted on 2013/05/28 Tue.   edit  |  tb: 0   cm: 0