381系とジオラマ製作
来年の3月、ついに国鉄最後の特急形車両381系が
新型車両に置き換えられます。
この381系の最後の雄姿は、有名どころでは紀勢本線「くろしお」、
山陰・福知山線の「たんば・まいづる」に「はしだて」
そして、「やくも」などで見ることが出来ましたが、これらの路線は
古事記や日本書紀にも登場する、所謂パワースポットと呼ばれて
いる景勝地を走っていました。
「くろしお」は熊野三山、「たんば・まいづる」「はしだて」は天橋立。
「やくも」は神話のふるさと出雲と、381系というのは神々のふるさとを
走った列車であり、不思議と神秘的な(?)縁が感じられます。
そんな神秘的な381系最後の雄姿である「やくも」をジオラマ
動画として作品にしたいと思い、偶然381系電車がパワースポットを
中心に走っていたことを加味して、「神々の里」というのをテーマとして、
ジオラマ製作を開始しました。

ジオラマベース。ベニヤ板を土台にスチレンボードを貼っている。
これまでのジオラマは、スタッフの長老がメインになって手掛けて
いましたが、今回は若手中心で製作しています。
ベニヤ板には厚さの異なるスチレンボードを貼っていますが、
これはベニヤ板を保護することと、農家や畑、そして線路の
高低差をつける意味合いもあります。
色々と悪戦苦闘を繰り返し、何とか形になってきたのが
下画像です。

地方に見られる畑の中をゆく単線の農村風景です。
都会とは違い畑や畝、道路の道幅など均一に配置して
しまうと不自然な風景となってしまいます。

また、区切られた畑も一面一面に微妙な違いがあり、
土の質感や植えられた植物にも変化をつけています。

ちなみに現時点では、よくある農村風景に見えますが、
実は鉄道ファンにとってだけでなく、パワースポットに
関心のある人にとっても有名な実在するポイントを
モデルにしてジオラマを作っています。
あるものを設置すれば、直ぐにピンと来る方も多いと
思いますが、それについてはまた今後、ジオラマ製作の
進捗と共にご紹介していきますので、お楽しみに。
category: 工作
本年も宜しくお願い申し上げます
今年初めての富塚通信になります。
コロナ過で大変なお正月になってしまいましたが、
いかがお過ごしでしたでしょうか。
当スタッフはこの年末からお正月を利用して
半年前から製作していた渓流風景と海岸線のジオラマを
完成させるべく、製作に当たっていました。
そして何とか三が日中に完成にこぎ着けたので、
今年の三月に引退する国鉄形最後の381系やくもや
既に引退した381系くろしおを中心に
これらのジオラマを使用した撮影とあいなりました。
紀勢本線編 特急くろしお

トラス橋にてすれ違い。手前に国鉄カラーの381系「くろしお」
奥に行く普通電車165系低屋根。

トンネルの向こうに去っていく165系と向かってくる381系「くろしお」

出港していく漁船と381系「スーパーくろしお」とのツーショット

みかんの木を横目に海岸線を行く289系「くろしお」

伯備線 特急やくも

山深い渓流の風景にはこの381系「ゆったりやくも」がよく似合う


今回ジオラマに登場した車両はメイクアップシールにて好評発売中!
すべての車両の室内内装をお楽しみいただけます。
各車両対応パッケージは下記の通りです。

「国鉄 381-100系 特急電車 9両セット」4,180円
(品番:TM-TN014)
(※上記販売価格は、2021年1月時点のものです)
(※JR西日本381系直流特急形電車「くろしお」「やくも」にも使用可能です。
車内座席シールは国鉄時代のモケット座席仕様となります。)

「381系スーパーくろしお(リニューアル編成)基本6両セット」3,520円
(品番:TM-KN095)
「381系スーパーくろしお(リニューアル編成)増結3両セット」2,640円
(品番:TM-KN096)
(※上記販売価格は、2021年1月時点のものです)

「289系 くろしお 基本6両セット」3,520円
(品番:TM-KN091)
「289系 くろしお 増結3両セット」2,860円
(品番:TM-KN092)
(※上記販売価格は、2021年1月時点のものです)

「381系 ゆったりやくも 6両セット」¥3,520
(品番:TM-KN093)
「381系ゆったりやくも(ノーマル編成)7両セット」¥3,740
(品番:TM-KN094)
(※上記販売価格は、2021年1月時点のものです)
特に381系電車は国鉄時代の特急車両として最後まで走り続けた
メモリアル車両です。ぜひ、この機会に室内内装を施した模型の
永久保存をお勧めいたします。
尚、昨年のクリスマスに当店のホームページを全面的にリニューアル
いたしました。今やホームページを見るのもスマホがスタンダードな時代。
そこで当店でもスマホ対応サイトへの刷新を敢行!
とは言え、スマホだけではなくパソコンモニターでの閲覧も考慮して
作成していますので、場合によっては閲覧しにくい場合があるかも
しれません。そうした点が判明すれば今後も随時改良していきます。
また、ホームページのリニューアル化に併せて、これまで設けていなかった
すべてのメイクアップシール商品に製品番号(品番)を設定しました。
通信販売にてメイクアップシールをご注文の際は、商品名と併せて品番も
ご記載をお願い致します。
それでは改めまして、本年も宜しくお願い申し上げます。
category: 鉄道レイアウト
駅事務所&新号所の室内工作!
本日の富塚通信は前回お伝えしました通り、新規敷設した
ジオラマ駅構内の駅事務所とホームの側に設置した信号所の
室内再現についてご紹介します。

駅事務所と信号所はKATOの品番23-315「駅事務所・信号所」を
使用しています。
尚、駅事務所・信号所の屋内は決して広いスペースがあるわけでは
ありませんので、室内を良くご覧頂けるよう、いつものブログより
大きいサイズの写真を多めにアップしましたので、是非お楽しみ
ください。
それでは先ずは、駅事務所から。
駅事務所は駅のホームに設置する為、上階部分をナイフで切断し、
1階部分にのみ加工を行っています。


駅事務所の通り屋内には作業用デスクと書類棚を配置。
ちなみに机の上のパソコンと、日本ではまだまだ職場で
活躍中のFAX、それと書類棚はプラバン等を加工した
自作パーツです。


左:業務机 右:書類棚
プラバンでL字型に仕切り壁を製作し屋内に救護スペースを
設けました。もちろん自作ベッドも作成。
救護室の入り口ドアに救護マークを、隣の壁面には安全拾得器、
通称マジックハンド(業務用)をデザインしました。


左:救護室のベッド 右:救護マークと安全拾得器
本当は安全拾得器も工作する事が出来ればよりリアルだと思いますが、
流石に難しかったので代わりにシール製作で培ったテクニックを駆使して
壁面にデザインすることに。

救護室の入り口壁面と安全拾得器のシール画像データ
上から事務所内を俯瞰してみるとこうなっています。


事務所内に6つの業務机にパソコン4台。
5人の駅員さんを配置しています。
救護スペース側の事務所側面にある窓から事務所内を
見てみると…

窓中央にプラバンの仕切り壁面があります。
写真左側が救護スペースで右側にはディスプレイが
並んでいるのが分かります。
パソコンにデータを入力中。奥の駅員は書類棚から
資料を探しています。

何やら存在感があります。恐らくこの中で1番上の
役職の方なのでしょう。

ホームの安全を確認中。物思いに耽っているわけでは
ありません。


駅ホームに設置してしまうと屋内をつぶさに確認することが
難しくなってしまいますが、事務所の雰囲気は出たのでは
ないでしょうか。
さて、ここからは信号所です。
信号所の方は事務所に比べてシンプルな再現となっています。

信号所正面

信号所背面
少し上の角度から信号所屋内を俯瞰。

パソコンと書類ファイルは自作加工したパーツです。
人形は制服姿の職員1人とヘルメットを被った作業着姿の
人形2つを配置しました。
作業員2人が列車の運行状況をモニターで確認中です。

信号所は駅ホーム隣のスペースに設けました。
尚、駅事務所と信号所のどちらも室内の再現後にLED照明を
組み込んであります。
信号所の方は2階部分が全面ガラス張りなので、天井に伸びた
LED用の白いコードが確認出来ます。

今回は前回のジオラマ記事でご紹介することの出来なかった
駅ホーム内の事務所と信号所の屋内ジオラマ再現をご紹介
しました。
メーカーから販売されている駅職員関係の人形だけではなく、
作業机やパソコン、書類棚なども合わせて製作・設置すると
ジオラマの実感がグンと高まります。
慣れもありますが、それほど作業時間を要する工作では
ありませんので、ジオラマ製作時に少しチャレンジしてみると
また面白いと思います。
category: 工作
照明付「近郊形ホームDX」を敷設!
昨年、販売を開始したメイクアップシール「E353あずさ・かいじ」
「E257あずさ・かいじ」

そして、先月リリースしたばかりの「E657ひたち・ときわ」と、
メイクアップシールでは現在、都市部を走る近代型車両に
比重を移して製品を展開中です。
また、メイクアップシール新製品として通勤・近郊形電車対応の
シール化も検討しており、そうした新型車両を使用したムービー製作も
予定していますが、やはり通勤や近郊形電車を撮影するのであれば、
駅ホームへの入線シーンもしっかり撮影したくなります。
しかし、ここで1つ問題が…
これまでメイクアップシール化してきた車両が寝台列車や気動車など
国鉄時代の列車がメインだったこともあり、制作室のジオラマに
設置した駅舎はローカル駅舎にローカルホーム。

KATOのローカル駅舎にローカルホーム
残念ながら、ここにE353、E657や近郊形など新型車両が入線しても
絵になりません。
そこでジオラマのストレートゾーンに急遽KATOから発売されている
「近郊型ホームDX」敷設を実施することに。

従来の近郊形ホームではなく近郊形ホームDXを選択した理由は、
別売のホーム用照明キットが屋根部分に自然と組み込めることが
決め手になりました。
朝の出勤シーンや日中のシーンであっても駅やホームにライトが
点いているだけで臨場感が異なってきます。
また、職場からの帰宅シーンなど夜景シーンの再現も可能に。

ホームの照明点灯なし

ホームの照明点灯あり
ちなみに室内の電気を消して撮影するこうなります。

夜景シーン
上手く光量を調節するなどすれば夕景シーンでも活用する
ことが出来そうです。
今回の駅舎はある程度の長編成にも対応できるように、
「近郊形ホームDX 島式A」×3
「近郊形ホームDX 島式B」×1
「近郊形ホームDX 島式エンドB」×1
上記、計5つのホームを使っています。
また、先述の通り駅ホームには「ホームDX照明キット」を採用。
出来ることならば、KATOの「近郊形ホーム グレードアップセット」も
購入して、構内の運転事務室、待合室、売店やエレベーター等も
再現したかったのですが、現在販売休止中で入手すること叶わず。
そこで、スケールサイズや形状など導入に不安はあったものの、
TOMIXから販売されている「ホーム(都市型)グレードアップパーツ
セット」の購入を決意。
結論を言えば、多少の加工を行うだけでそれほど導入に大きな
問題はありませんでした。
KATO製品の成形が分からない為、KATOとTOMIXどちらの製品が
良いかは判断出来ませんが、内容自体に関してはどちらの
メーカーもほぼ同じセット構成となっているようです。
少々取り付けにくいのが難ですが、TVモニタや出発時
機表示器ランナーなど、とても実感的で良い感じです。


左:待合室 右:コンビニ
最近では駅のホームにこうしたガラス張りの待合室が
増えてきました。
また、以前は小さな売店しかなかったものですが、
今や比較的大きな駅のホームには少し小さなコンビニが
店を構えています。


左:駅ベンチと看板 右:エレベーター
ベンチ上や路線部分の立て看板もオリジナルで製作しました。
当店の宣伝も抜かりありません。
製作に少し苦労したエレベーター。
高架駅ではないので、もちろん地下への移動に使う設定です。


左:駅事務所 右:売店
駅員の皆様、夜遅くまでお疲れ様です!
製品的には売店とのことですが、立ち食いそば屋です。
勿論うどんも注文できます。
尚、駅事務所はTOMIXのグレードアップセットのパーツではなく、
KATOの駅事務所・信号所を加工したものです。
近郊形の233系3000番台 東海道線・上野東京ラインを
入線させてみました。

カメラの位置によっては、ホームから停車中の電車を
撮影する事も可能です。


本来、LEDは電圧値の関係から直列で繋げるのは3個程度なの
ですが、パワーパックのボリュームではなく、独自に光量
調節だけ出来るようにしたかったので、別個にボリューム等の
電子パーツを購入。
ホームには屋根部分と下側と全部合わせて24個ものLEDを
繋いでいます。
それでも無理を承知で電気回路を組み込んでみたところ、
案の定、焦げ臭いにおいが!電気回路に無理は禁物です。
オリジナル光量ボリュームは断念することに。

折角なのでE353も入線
今回は近郊形ホームDXの導入についてご紹介してきましたが、
これで9両編成の列車がゆとりを持って停車する事が可能です。
これも本当は10両が停車できるようにしたかったのですが、
ジオラマのスケールと線路の構成的にこれ以上のホーム拡張は
正直厳しいものがありました。
電気回路だけではなく、ジオラマ製作に於いても無理は良い結果を
生みません。ホームの長さもこれで良しとしています。
さて、本文中でも触れましたが、駅事務所とE323系入線写真の
右端に写っている信号所は、屋内の作り込みを行っています。
そこで次回は、駅事務所と信号所の内部加工について、
もう少しだけ詳しくご紹介したいと思います。どうぞ、おたのしみに。
category: 鉄道レイアウト
グリーンマックス73形キット製作記その3
73形キット製作、今回は台車周りの取り付けを行っていきます。

ジオラマ走行を想定し、グリーンマックスのコアレスモーター
動力ユニットとDT13台車、そして動力台車枠・床下機器セットを
用意しました。

動力ユニット本体です。今回購入したパーツの中で、最も高価な
部品です。果たしてその走行性能や如何にといったところですが、
動力台車を撮影中、とある事に気が付いてしまいました。
製作記その1にて床下機器のパーツを4両分塗装したのですが、
そもそも今回は動力ユニットがあるので、床下機器の塗装は
4両ではなく3両分だけで十分であったという事に…
さて、台車周りはあまり工作という要素は強くありませんが、
客車同士の連結部分のカプラーはKATOカプラー密連形Aに交換
してあります。


右写真手前が密連形に交換した台車。奥の方が元々の台車です。
カプラーは台車のポケットに捻りながら入れるだけなので、
コツさえ掴んでしまえばものの10秒でカプラーを交換する事も
可能です。


動力ユニットのカプラーも同様に変更します。また、グリーンマックスから
発売されている別売の動力台車枠を取り付けます。
ちなみに、台車枠はDT13、DT16、DT20がパッケージされていますが、
クモハ73、モハ72やモハ71等で使用されていたのは、内吊り短リンク
+4連重ね板バネ構造のDT13です。

動力台車枠と同じパッケージにセットされている床下機器セットも
動力台車の側面に接着。尚、クモハ73とクハ79のカプラーはそのまま
キットのものを使用しました。
最後の仕上げにクモハ73とクハ79の前照灯部分とテールライトを
着色。ヘッドライトは写真では分かり難いですが、薄っすらと
クリーム色になっています。
テールライトはガンダムマーカーの赤で塗りました。
また、クモハ73のパンタ鍵外し線部分は、再度タッチアップに
挑戦して補修し直しました。完璧とは言い難いですが、製作記その1の
時よりかは少し良くなったと思っています。

尚、今回は色の統一という観点から、パンタ鍵外し線や屋根上の
機器類もすべて鉄道カラーを使用しましたが、色味が納得できれば
エナメル塗料を使った方がやり直しや修正は楽だったかもしれません。
以上、何回かに分けてグリーンマックスの国鉄73形車両キットの
製作過程をご紹介してきましたが、今回使用したキットはかっちりと
した成形で製作し易いキットだと評判も良い製品ですので、入手する
機会があれば手軽に作るもよし、細かな部分まで作り込むもよし。
様々な楽しみ方が出来る模型キットだと感じました。
さて、今回の国鉄73形車両は模型を製作するだけではなく、
スタッフの鉄道学習も兼ねてのキット製作でした。
ブログ内でもピックアップしたパンタグラフや台車の機構や変遷を
調べてみると、国鉄72系電車のあとに誕生する電車は現在まで続く
所謂「新性能車」へと大きな進化を遂げる事となります。
次回は、キット製作を通して見えてきた実車の国鉄72系電車の
性能や歴史的な位置付けなどを備忘録も兼ねてまとめていきたいと
考えています。
category: 工作