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ジオラマ製作~滝の製作過程~


今回の富塚通信は、前回の大瀑布のジオラマの製作について
お問い合わせを多数いただきましたので、製作過程を少し
ご説明したいと思います。

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この大瀑布のジオラマは、イメージ元が那智大滝なので、
実物の写真を参考にしつつ、まずは全体的な構図や
滝の高さや流れる川などを設計し、スチレンボードを
何層にも重ねて、土台となる山の傾斜や川を作りました。


岩場部分は、段差の立体感を出すために1mmのスチレンボードを
何枚か重ねています。また、岩肌を表現するためにHのシャープペンで
先に筋を入れ、その後に着色、墨入れなどをすることで、よりリアルな
岩場をつくることができます。


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そして岩場の塗装を終えた後、滝部分をつくっていきます。
滝の水部分は、まず画材用で使われているジェルメディウムを
爪楊枝で筋をつけるように全面を使って塗布していきます。
粘度のあるものなので、爪楊枝を使用するとその形がそのまま残るので、
筆を使うよりもより流れ落ちる滝の水流らしさを表現できます。

その際、あまり塗布するとひび割れが起こるので、時間をかけることを
前提に盛りすぎないよう気を付けて塗布します。
滝幅を塗り終えたら大体6時間以上を目安に一旦乾かします。
一日に朝、夕方、夜と3回ほど塗布して、少しずつ滝を盛り上げて
行きました。


また、ジェルメディウムだけでは透明な水が盛り上がっていくだけで
滝の水しぶきや流れ落ちる滝の筋の雰囲気が出ないので、
ある程度盛り上げたら、ミスターカラーのクールホワイトを少量混ぜて
よく練り、同じように爪楊枝で上に塗り重ね整えていきます。

じつはこの滝、岩と滝部分は別に作り、後から貼り付けています。
別パーツで作る事で、製作する際にも楽にでき、他の滝の上と下の
川部分と同時に作ることができます。

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滝の製作と同時に滝つぼと川を製作していきます。
滝つぼと川は先にミディアムブルー系の淡い青色を
ベースに何色か混ぜて、水底を塗りました。
その上で水面のきらめきを出すよう、ジェルメディウム又は
ボンド水を筆で薄く塗ります。

滝つぼは滝の水と同じようにジェルメディウムにクールホワイトを
混ぜたもので、爪楊枝でたたきつけるようにすることで
滝つぼの跳ねる水しぶきを表現しています。
落ちた先から円を描くように水の盛り上がりを意識して
塗布すると、よりリアルに再現できます。

また、川原の石は、ジオラマ用の小石を使用しています。
大まかの位置決めをしてから、大きな石から木工用ボンドで貼り付け、
小さな砂などは上からもボンド水を使用してしっかり固定しました。
最後に山全体を覆うようにフォーリッジクラスターを木工ボンドでしっかり
貼ります。フォーリッジクラスターは、水場の光が当たる場所を明るい
ライトグリーンで、徐々にグリーン、ダークグリーンとグラデーションに
なるよう貼り付けて完成です。

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そして、那智大滝があるなら熊野古道も必要だろうということで、
大門坂のあたりを意識して製作たジオラマも完成しました。
高低差約100目メートルの急な石畳に、両サイドにそびえ立つ杉の木と、
苔むした古道を表現しました。

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直射日光が当たらない独特な雰囲気のある坂道をイメージして
ダークグリーンのフォーリッジを使用し、石畳は滝の岩肌と同じく
シャープペンシルで石畳を模した線を描き、塗装と墨入れを施し
完成させました。

ジオラマ製作の場合、川や滝といった水や山や岩、地面の再現等、
様々な再現方法があります。今回のブログは、冒頭でも述べましたが、
主に滝をどのように作ったかというお問い合わせを
いただき、ご紹介させていただきました。

今後、これらのジオラマも使用した撮影を行っていきます。
まだまだ完成は先となりそうですが、ご期待下さい。


    

大瀑布のジオラマ完成

既に富塚通信にてアナウンスしております通り、
現在、制作室では和歌山県の紀勢本線にまつわる
動画を作成しています。

紀勢本線といえば、有田を始めとするミカンの産地や
黒潮がつくり出す美しい海原が思い浮かびます。
また、いにしえを語る熊野古道と神宿ると言われる
那智の滝や多くの神社群も欠かせません。

今年の2月には大きな岩で有名な神社を完全オリジナル
製作し、そのジオラマの様子を富塚通信「巨岩神社の
ジオラマ完成」にてご紹介しました。

そして、3月からは三名瀑のひとつ、那智の滝を
モチーフにしたジオラマ製作にチャレンジ!

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那智の滝は那智川にかかる落差133メートルの大瀑布です。
滝の形状は比較的製作しやすかったのですが、滝の飛沫と
水量を表現するために、滝だけで10日前後の日数をかけて
製作しました。

また、滝の後ろに見える岩肌はスチレンボードに塗料で
描いたものです。

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滝つぼの部分は滝とは別個に製作しましたが、製作手法
そのものは滝の部分と同様に作ってあります。

これまで神社、那智の滝とジオラマを製作してきましたが、
ここまでくれば、やはり古道は欠かせないと熊野古道を
モチーフにしたジオラマ製作も検討中!?

さて、こうしてジオラマ製作に精を出しつつも、併せて
動画撮影の方も並行して進めています。

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撮影シーン

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近代的な駅に入線するのはEF65牽引の銀河

今回撮影中の動画のオープニングシーンでは、これまでに
発表してきたオリジナルDVD「鉄路の記憶」やその後の動画
作品では取り入れなかったプレスコによる撮影を行いました。

プレスコとは環境音や効果音、そして電車の走行音などを
先に録音しておき、その音に合わせて映像を撮影する
手法です。現実の音に合わせてジオラマでのシーンを
撮ることで、より実感的なシーンに仕上がっています。

これから完成したジオラマも取り入れながら撮影を行って
いきますので、完成はまだまだ先となりそうですが、
ご期待いただければと思います。

巨岩神社のジオラマ完成

 
現在、制作室では紀勢本線をテーマとしたNゲージ
模型の動画撮影に向け、背景となるジオラマの
製作を行っています。

前々回の富塚通信では、新宮市にある急な石段と
山頂の巨岩で有名な神社製作について少しばかり
お届けしましたが、今回は神社を含めた山頂一帯も
完成しましたのでご紹介したいと思います。

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神社全体の完成写真

神社周りの樹木や本殿へと続く石畳、また朱色で
塗装した柵などを別途製作のうえ、配置しました。

今回は写真の再掲をしませんが、スチレンボードと
発泡スチロールが剥き出し状態の神社周りを前々回の
富塚通信「紀勢本線の動画制作に向けて」をご覧
いただき、ぜひ比較してみて下さい。
雰囲気が全く異なっているかと思います。

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本殿と巨岩

社殿については既にご紹介していますが、隣の巨石は
少し形状を修正し、部分的に塗装をし直しました。
また、ご神体を表すしめ縄もしっかりと再現。但し、
しめ縄を絞めている箇所は実際のご神体とは
異なっています。

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角度を変えて右側から撮影

神社の横手に広がる岩畳はスチレンボードを何重にも
重ねて作っています。
塗装は始めに下地処理としてグレー系の塗装を行い、
その上にブラウン系の塗料を薄く重ね塗りしています。

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歩道の石畳み部分は、予め筋目に沿うかたちで
敢えて鉛筆による陰影付けを行い、その上に淡い
グレー系の塗料で着色してあります。

本来こうしたスミ入れはエナメル塗料を用いるもの
ですが、今回は使用している素材からエナメルでは
少し黒味が強くなり過ぎた事もあり、芯の柔らかい
Bの鉛筆で意図的に陰影の強弱を付ける事に。

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山の山腹(?)部分に見える山肌もウッドブラウンの
塗料を中心に着色し表面を削って質感を表現しました。

今回、山や石畳みに使用した発泡スチロールは、
ラッカー系塗料を使うと表面が溶けてしまうので、
水性の塗料を使うなど配慮が必要です。

但し、塗料の塗り具合や希釈量によっては、
ラッカー系の塗料を使えない事もありません。
実際に部分的にではありますが、ラッカー系塗料を
使って着色を行った箇所もあります。

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山の部分はスタイロフォームを使って再現して
ありますが、山の膨らみを予め表現しておきます。
そうする事でこの後貼り付けるフォーリッジが
自然に見えてきます。
なお、そのフォーリッジは主にグリーンとライト
グリーンの2色を使っています。

社殿の周りには樹木を植えましたが、メリハリを
付ける目的でKATOの「日本のさくらキット」で
作った桜の木も配してみました。

紀勢本線と云えば、海岸線に熊野の山々が思い
浮かびますが、また撮影に必要な風景があれば
ジオラマ製作にチャレンジしていきたいと思います。
 
 

紀勢本線の動画制作に向けて


現在制作室では次回製作予定の動画として、紀勢本線を
テーマとした映像撮影の準備を進めています。
 
紀勢本線と云えば、やはり南紀白浜のオーシャンビューが
思い浮かびますが、沿線には熊野川や古座川をはじめとする
美しい渓谷が広がり、熊野三山・熊野古道は紀伊山地の
霊場と参詣道として世界遺産にも登録されています。

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前回のブログでも登場した「289系くろしお」

古より人々の信仰を集めた由緒ある神社仏閣が点在し、
祈りの道として多くの参拝者が通った参詣道。

今回は、まだ製作途中ながら、新宮市にある世界遺産の
一部にも含まれている急な石段で有名な神社の製作に
チャレンジしています。

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この神社は神武東征した折に登ったとされる
大きな巨岩が印象的な神社です。

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もちろん完成品の模型は市販されていませんので、
先ずは図面を作ることから始めて、スチレンボードやプラバン、
木材やプラ素材を加工し、すべて自主製作!


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これから本殿まわりと神社の鎮座する山を作って
いきます。出来れば筆者も登ったことのある、
あの急な石段も再現したいところなのですが、
スケール的には少し厳しいかもしれません。
 
現在、和歌山線では「223系・225系電車」に、285系の「はるか」。
紀勢本線では「287系・289系電車」、普通列車の「105系」が
活躍中ですが、105系は今年の2021年3月ダイヤ改正にて、
227系に変更されることが発表されています。
 
映像の撮影はまだ先のことになりますが、上記の現役車両だけ
ではなく、往時の「キハ81くろしお」「キハ82系南紀」、DF50の
牽引した「急行紀伊」、あるいは「165系普通電車」なども登場
させる事が出来ればと考えています。

最後にメイクアップシール関連の情報を。
制作室では今月KATOから発売される模型のシール化を
予定しています。まだ、模型車内のチェック等が終わって
いない為、今回は車両名を公表する事は出来ませんが、
近いうちに製品化についてご案内していきます。
どうぞご期待ください。
 
 

動画撮影~ライティングについて~


今回は当制作室でのビデオ撮影としての最終章
「ライティング」についてを中心に紹介します。

基本的に撮影時には多灯ライティングによる撮影が必要となります。
これはフロントからのライティング一灯では影が出来てしまうために、
その影を程よく薄くするためのフロントとは別にもう一灯必要となります。
また、全体的な立体感を出す為に、真上からの照明も必要になります。

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現在市販されているライトのそのほとんどがLED式なのですが、
ビデオカメラに直接装着するクリップオン式のものよりもジオラマを
広範囲で照らし出すためにはスタンド式照明灯の方が良いでしょう。

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上記の写真は、オーム電機で発売している「LEDズームライト」という
懐中電灯で、発光部の先端を回すことによって光の当たる範囲を
調整出来る為、スポット光として使用しています。
但し、やや赤みが強い発色なのでソフト上での調整が必要になります。


次にライティングを施した時に、問題になりやすいのがジオラマ上の
家屋や街灯の明るさです。
そこで、これらのジオラマ上の灯りの強さを調整する為の
照明ボリュームボックスを設けてあります。
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但し通常はローアングルなどの撮影時に、照明ボリュームボックスが映り
込まないように緑色に着色したカバーで覆いを取り付け、マグネットを使い
着脱可能にしています。
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最後にカメラ周りのちょっとした便利グッズを紹介しましょう。
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上の写真は「フォローフォーカス」というピント合わせのアクセサリーです。
走行時の車両の撮影時はそのほとんどがマニュアルフォーカスになります。
これはオートフォーカスで撮影すると架線柱を車両がくぐり抜ける際に、
架線柱側にピントが移動し易いからです。

そこでオートフォーカスをマニュアルフォーカスに切り替え、フォーカスリングで
ピント移動をさせていくのですが、トルクの重さからスムーズなフォーカス移動が
難しくなることが多々あります。
そんな時、効力を発揮するのが「フォローフォーカス」。
実際の使用感は効果絶大でした。

正直なところ、あまり期待はしていなかったのですが、取っ手のサイズも
長すぎて他の機材に干渉することも、短すぎて握りずらいという事もなく、
長すぎず短すぎず絶妙な長さで、調整ベルトもビデオカメラや一眼レフの
フォーカスリングにフィットしてなかなか良い感じでした。
なによりリングを回す際の労力が段違いと感じました。


次に紹介するのが、「ブラックミストフィルター」です。
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今回、初めにライティングについて紹介しましたが、鉄道模型の場合、
列車を走行させるシーンもある為、場合によっては照明光が強く
当たりすぎてしまうケースも。すると映像にエッジが立ち過ぎて
しまうのですが、この時便利なのがこのブラックミストフィルターです。

エッジを抑えるソフト効果を持つフィルターを使う場合、どうしても
エッジがボケ過ぎてしまい、画像全体に締まりが無くなってしまいがちです。
その点、ブラックミストはハイライト部分とシャドーの部分の明暗さを
バランス良く和らげてくれるので、使用頻度の高いフィルターとなっています。
下記の写真はEF60とEF58を、フィルターなしとブラックミストフィルターを
使って取り比べた画像です。

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通常時

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ブラックミスト使用

ブラックミストフィルターを使うと、特に車体のエッジがバックの背景と
馴染んでいることがお判り頂けると思います。
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左:ブラックミストなし 右:ブラックミストあり

部分的に拡大してみました。
ブラックミストフィルターとはいえ、ソフト効果がある為画像のシャープさは
弱まってしまいますが、それでも他のソフト効果のあるフィルターに比べ、
格段に使い勝手がいいフィルターであることは間違いありません。

また、こうした部分もライティング如何によっては、より雰囲気のある
映像に仕上げることも可能です。このフィルターは基本的に写真用の
フィルターですが、そうした点から、テレビ局でも動画撮影時に
対応するフィルターだという話も聞きます。


さて、今回ライティングを軸にビデオ撮影の機材などを紹介してきましたが、
光の当て方や、ライトの光の色を色付きカバーなどで変更することで
昼の走行シーンから夕景、夜景走行シーンまで印象的に撮影することが出来ます。

現在各社からジオラマ用の素材が多数発売され、近代都市から農村、
また山間部や川、トンネル、橋梁など様々な風景を再現することが出来ます。
ぜひ自分の再現したいシーンにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
そして一眼レフを含む撮影機器が溢れている昨今、作ったジオラマで
撮影してみませんか。

今までの動画撮影のブログがジオラマレイアウトを楽しむ皆様の
参考になることを祈っています。