メイクアップシール「E353系あずさ・かいじ」~誤植訂正のお知らせとお詫び~
先日、発売を開始しましたメイクアップシール「E353系あずさ・かいじ」ですが、
シールナンバー及びマニュアルに誤植がございました。
シールをご購入いただいたお客様には、大変ご迷惑をおかけしてしまい、
誠に申し訳ございません。ここに深くお詫びし、下記の通り訂正させて頂きます。
~E353系 あずさ・かいじ 基本4両セット~
①マットシールNo.2「12号車クハE352」のシールナンバー
<訂正>
(誤)「M12-6タイプ2」→(正)「M12-7タイプ2」
合わせてマニュアル2ページの該当シールの説明部分も
「M12-7タイプ2」となります。
②マニュアル5ページ「多目的室・座席製作方法」

貼付マニュアル5ページ「多目的室・座席製作方法」のステップ③にて、
『「M9-14c」は座席背ずり以外にも、「M9-14a」と「M9-14c」の間に接着』と
ありますが、正しくは、『「M9-14c」は「M9-14a」と「M9-14b」の間に接着』と
なります。
<訂正>
(誤)「M9-14a」と「M9-14c」の間→(正)「M9-14a」と「M9-14b」の間
~E353系 あずさ・かいじ 増結5両セット~
①貼付マニュアル3ページの荷物置き場製作方法に使用している
画像と文章に誤りがありました。加工は下記青枠内の図解を参考に
作業を行って下さい。

<訂正>
(誤)「※F5-5a・b」→(正)「※F5-7a・b」
②マニュアル4ページの1番上の青枠内の文章
<訂正>
(誤)8号車モハ352と11号車サハ353→(正)11号車モハ352と8号車サハ353
~E353系 あずさ・かいじ 増結5両セット~
①フィルムシールNo.1及びマットシールNo.2
「3号車クモハE352」のシールナンバー
<訂正>
(誤)「F12-8」→(正)「F3-8」
(誤)「F1-9タイプ2」→(正)「F3-9タイプ2」
(誤)「F1-10タイプ2」→(正)「F3-10タイプ2」
(誤)「M3-6タイプ2」→(正)「M3-7タイプ2」
②マニュアル5~7ページの車両名
<訂正>
<5ページ>1番上の対応車両名部分
(誤)「クハE352」→(正)「クモハE352」
<6ページ>カーテンシール貼り付け見本車両名
(誤)「クハE353」→(正)「クモハE353」
<7ページ>カーテンシール貼り付け見本車両名
(誤)「クハE352」→(正)「クモハE352」
本件につきまして、ご不明な点がございましたら、
メールにてお問い合わせ下さい。
さて、ここからはE353系の床シールや座席シールの貼り方について
当制作室スタッフの作業例を少しご紹介させて頂きます。


クハやクモハ等は模型の成形的に床部分に盛り上がりや段差が
あり、その影響から特にシールが剥がれ易くなっています。
そうした段差部分の狭いスペースをしっかりと押さえる為に、
右上画像のようにつまようじでシールを貼り付けます。
ピンセットの先端部分の形状によってはシールの表面を
傷つけてしまう恐れもありますが、つまようじではそうした
心配がありません。


また、あるスタッフはピンセットではなくつまようじを使って
背ずりシールを貼っています。
その理由は上記と同じく、ピンセットではシールを傷つけて
しまう場合があるだけではなく、曰く、ピンセットはシールの
接着面(糊面)から剥がそうとした際にシールが一緒にくっついて
きてしまうこともあるが、つまようじではそうした心配は一切
無用だからとの事。


背ずりシールは模型の形状、シールの貼り方から背面へシールを
折り返した際のふち部分が模型と密着していません(左上画像)。
ですので、背ずりシールは仕上げとして右上画像のように模型に
フィットせずに浮き上がった部分を丁寧に密着させるようにして
ください。この一手間で座席部分の完成度がグッと高まります。
このように床や背ずりシールの貼り付けに大活躍のつまようじ。
当然つまようじであっても、無理に力を入れてシールを擦れば
表面に傷が付いてしまいますが、そうした力加減は特段に難しい
わけではありませんので、ピンセットでシールに傷が付いて
しまう場合や作業がし難い時はつまようじを活用してみて下さい。
最後に、次回発売予定のメイクアップシールのご案内です。
既にブログでもお伝えしておりますが、次回は「E353系あずさ・
かいじ」に続き、「E257系あずさ・かいじ」をリリース予定。

KATOより発売されました「E257系あずさ・かいじ」
7両基本セットと4両増結セットをシール化中です。
どうぞ、ご期待ください。
category: E353系
メイクアップシールE353系あずさ・かいじ発売開始!

大変お待たせ致しました!
新製品メイクアップシール「E353系あずさ・かいじ」
本日より発売開始となります。

メイクアップシール「E353系あずさ・かいじ」は各模型に
対応した3パッケージ構成での販売となります。
各パッケージのセット構成は下記の通りです。
「E353系 あずさ・かいじ 基本4両セット」

<対応模型>
KATO「品番10-1522:E353系 あずさ・かいじ 基本セット(4両)」
・4号車クハE353・7号車モハE353(M車)
・9号車サロE353・12号車クハE352
「E353系 あずさ・かいじ 増結5両セット」

※増結セットは5号車と10号車モハE353の2両、6号車・11号車モハE352と
8号車サハE353の3両がそれぞれ共通となっています。
<対応模型>
KATO「品番10-1523:E353系 あずさ・かいじ 増結セット(5両)」
・5号車モハE353・6号車モハE352・8号車サハE353
・10号車モハE353・11号車モハE352
「E353系 あずさ・かいじ 付属編成3両セット」

<対応模型>
KATO「品番10-1524:E353系 あずさ・かいじ
付属編成セット(3両)」
・1号車クモハE353・2号車モハE353・3号車クモハE352
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「トピックス」制作室特有のデザイン美学~其の4~
前回ブログのトピックスにて、「記憶の中の蜃気楼」という
ワードがメイクアップシール製作に於けるポリシーであると
ご紹介させて頂きました。
見えないところまで描きつつ、時に泣く泣く印刷可能な
ラインギリギリまでデザインを省略する。その上で列車
特有の雰囲気を如何にすれば醸し出せるのか?
常にシール製作はチャレンジの連続です。
そうした中、Nゲージであれば省略せざるを得ないデザインでも
再現することが出来てしまうのがHOゲージ模型です。
模型スケールが大きい分だけ純粋にデザインの再現性に
アドバンテージがあります。
下の画像はHOゲージ「トワイライトエクスプレス」のA寝台個室です。


HOゲージトワイライト スロネフ25 スイート・ロイヤル個室
HOゲージ用のメイクアップシールでは模型のスケールが大きい分、
デザインの再現性に余裕があるので、Nゲージスケールよりも、
一歩踏み込んだ再現が可能です。壁面の木目調はもとより、
ベッドやソファ、カーペットの柄まで余裕をもって表現することが
出来ます。
また、寝台個室の雰囲気を追求した結果、各個室に備えられている
シーツや枕、浴衣なども再現できればとの思いから、別途寝具などの
再現シールも製作するに至りました。
シールをお求め頂いたお客様から「自分が乗車した時の記憶が
甦ってきました」との感想を頂戴することがありますが、まさに
シール製作者冥利に尽きる大変嬉しいメッセージです。
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◎メイクアップ加工済み「E353系」◎
~普通車~




~グリーン車~




~ブラインド使用例~


3パッケージ全てにブラインドシールが付属!
工夫次第では右上画像のようなリアルなブラインド
活用シーンを再現する事も可能です。
中央本線の特急「スーパーあずさ」で運用されていたE351系の
置き換えとして、2017年12月23日に運行を開始したE353系!

「E353系 あずさ・かいじ 基本4両セット」¥3,200(税別)
「E353系 あずさ・かいじ 増結5両セット」¥3,000(税別)
「E353系 あずさ・かいじ 付属編成3両セット」¥2,800(税別)
(※上記販売価格は、2019年9月時点のものです)
「伝統の継承と未来への躍動」
ビジネスとレジャー双方の利用客を意識し、東京~松本と日本の
中央ラインをダイナミックに駆けるE353系。
そんな「あずさ・かいじ」の車内内装再現をメイクアップシールで
ぜひお楽しみください!
メイクアップシールは店頭、若しくは通信販売でご購入いただけます。
詳しくは当店ホームページをご覧ください。
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~追記~
9号車サロE353・2号車モハE353「車椅子対応大型トイレ」について
9号車サロE353と2号車モハE353の車椅子対応の大型トイレは
実車に則り、半円という大きい曲率で成形されています。
その為、普通にフィルムシールを貼っただけでは、反発力が作用
してしまいシールを貼る事が出来ません。


左:車椅子対応大型トイレ 右:輪ゴム等を使ってしっかり貼付して下さい
車椅子対応大型トイレの壁面シールを貼る時は、透明のゴム系接着剤を
しっかりと併用し、右上画像のようにシール表面が傷つかないように保護
した上で、輪ゴムやクリップなどを使ってシールを固定するようにして下さい。
固定時間に関しては5時間前後では足りませんでしたので、制作室では
24時間固定してシールを模型に接着させました。
尚、どうしてもフィルムシールが剥がれてきてしまう場合は、フィルムシールと
比べ再現力は落ちてしまいますが、付属してあるマットタイプ仕様のシールを
お使いください。
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category: E353系
メイクアップシール~E353系あずさ・かいじ~詳報3
今回は富塚通信は、前回から続いて「E353系あずさ・かいじ」
詳報第3弾、増結5両セットのモハE353と、モハE352/サハE353、
そして付属編成のモハE353-1000の3両をお届けします。

モハE353+モハE352
また、前回の詳報内にてメイクアップシール製作におけるポリシーについて
少しばかり述べさせて頂きましたが、本ブログ内ではトピックスという形で
もう少し詳しく制作室のデザイン美学についてご紹介させて頂きますので、
E353系の詳報と合わせてお読み頂ければと思います。
それでは先ず、5号車モハE353と6号車モハE352の詳報です。
尚、増結セットは模型の成型上、5・10号車モハE353の2両、
6・11号車モハE352と8号車サハE353の3両がそれぞれ共通となっています。

上:5号車モハE353 下:6号車モハE352


普通車の座席は「南アルプスと梓川のきよらかさ」を表現する
青地に濃淡で描かれた水の水面や流れを思わせるような
デザインが特徴的で、背面には大きなテーブルに背面ネット、
ドリンクホルダーにコンセントもしっかりデザイン。


5・10号車は実車に荷物置き場があるのに合わせて模型上でも
スペースがありますので、デッキ壁面とともにプラバン加工で
再現することが可能です。


6・8・11号車は、前述のモハE353と模型の形状が微妙に異なり、
車両後部に壁面が造形されていますので、モハE353ではプラバン加工
のみでしか再現できなかった壁面部分が再現しやすくなっています。
付属編成の1号車と3号車は、詳報第1弾にて紹介した車両と模型の成型が
同じですので、残りの2号車モハE353-1000についてご紹介します。


2号車はデッキに近い座席が車いす対応座席となっており、
トイレも車いす対応洗面トイレが設けられています。



2号車と9号車比較
車いす対応洗面トイレがあるところは同じですが、サロE353と違い、
通路が短くなり模型の壁面成型がされていない部分がある為、
プラバンで壁面をつくり補完することができます。また、AEDがないなど
実車に合わせてデザインも変更しています。


車両ボディ妻面用の客室仕切りシールも付属しています。
デッキ部分のない客室の妻面仕切りは模型の車両ボディに
直接シールを貼る事で再現。
そして今回のメイクアップシールでは、プラバン加工を行わない場合でも
よりリアルに車内再現が出来るようにマット、フィルムでそれぞれ2タイプの
シールをご用意しました。

タイプ2のシールには、プラバン加工用に使用するシールのデザインを
含めて印刷してあります。
もちろんプラバン加工を行って頂いた方が、よりリアルな立体感を再現
頂けますが、別途プラバン加工を行わない場合でも可能な限り実車に
近い再現が出来るようデザインを一体化してあります。
さて、これまで3回に渡ってお届けしてきました詳報にて、今回シール化を
行ったE353系全車両についてご紹介したことになります。
現在、メイクアップシール「E353系あずさ・かいじ」は出荷へ向けた最後の
作業を行っており、近日発売を予定しています!
発売まで今しばらくお待ちください。
category: E353系
メイクアップシール~E353系あずさ・かいじ~詳報2

本日の富塚通信は、メイクアップシール「E353系あずさ・かいじ」
詳報第2弾をお届けします。
さて、今回はメイクアップシールの車両紹介の前に実車の「E353系
あずさ・かいじ」について触れさせて頂きたいと思います。
本来ならば、こうした内容は前回の詳報第1弾で述べておくべき
でしたが、その点はどうぞご容赦ください。
●ビジネスユーザーと観光客のニーズに応えるために
「E353系あずさ・かいじ」は、主に新宿~松本間を結ぶ「あずさ」と、
新宿~甲府間を走る「かいじ」にて運用されていますが、そもそも
この路線は観光とビジネスという2つのニーズに応えなければ
なりません。
ビジネスニーズとしては、甲府・岡谷そして松本。
信州には日本を代表する精密機器や光学系メーカーの工場が多く
集まっています。以前は東京(新宿)から乗車したビジネスマンの
3分の1くらいが甲府で降りていきました。
一方、観光地としても清里、諏訪、上高地や安曇野など自然を
満喫出来る人気の観光スポットが多くあります。
東京から遠すぎないという立地からも、小さな子供や乳幼児を
連れているファミリー層にも人気があります。
以上のようにビジネス層から観光利用まで需要が多い路線では
あるものの、反面、高速バスとの熾烈な利用客の獲得競争を
余儀なくされている現実もあります。
単純な所要時間では東京~松本間がE353系で3時間弱なのに対して、
高速バスは3時間半と移動時間ではE353系に分があります。
しかし、乗車運賃では一転して高速バスの方に軍配が。
高速バスの場合、高くても3,000円台の料金体系となっており、
ざっくりと計算しても鉄道の半額程の料金で東京から松本まで
行くことが出来るのです。
「あずさ」に投入された列車を振り返ってみれば、「181系」に始まって、
「183系」「グレードアップ183系」「189系」と続き、「E351系スーパー
あずさ」に、E353系へと直接バトンを受け渡した「E257系」と、JRも常に
利用客の満足度を上げるために、速度アップと車内設備の品質向上に
力を注いできた歴史があります。
現在のE353系では速度アップのため、空気ばね式の車体傾斜装置を
搭載する事でカーブ区間でのスピードアップを図っており、設備面では
ビジネスマンが車内でパソコンやスマホで快適に作業出来るよう、
全席にコンセントと大きめなテーブルが導入されました。
また、観光客ニーズに対してはバリアフリー化も念頭に車椅子
対応の大型トイレや専用座席、そして乳幼児の授乳などで活用
できる多目的室などが設けられました。
今回の詳報でお伝えするサロE353グリーン車は、まさにこの
路線のメイン利用者であるビジネスマンと観光層のニーズに
応えるための車両であると言っても過言ではありません。
そうした路線や利用者の背景を覗いてみると、E353系の編成や
列車設備の意図が見えてくるのではないでしょうか。
少々長くなってしまいましたが、以上の内容を踏まえた上で
シール製作を行った「E353系あずさ・かいじ」
ここからはシール詳報に話を移らせて頂きます。
今回は9号車サロE353-3と、モーター車でもある7号車モハE353-2003
の詳報です。この2両も前回の詳報1に続き、基本セット4両に含まれ
ている車両となっています。
それでは先ずは7号車モハE353-2003です。

7号車モハE353(モーター車)
7号車は普通車に当たりますが、模型のモーター車になって
いますので、シールの形状が他の車両とは異なります。


座席部分


客室デッキ仕切り部分
実車では客室内に荷物スペースが設けられていますので、
製作室でも他の号車同様にプラバンで荷物スペースを再現して
みたところ、荷物スペースと客室内の上下のバランスが不自然に
なってしまう為、やむを得ず断念。
本車両ではプラバン加工等の再現はありません。
次に基本セット4両最後の車両、9号車サロE353についてです。

9号車サロE353
グリーン車は前位側から車体の半分が定員30名の客室になっており、
そのデザインコンセプトは「機能性と高揚感、クラス感」
そのコンセプト通り、通路の赤いカーペットや壁面のドアを
始めとして、先ず車内の「赤色」に目を奪われます。
座席は黒字に赤色の細い長方形のラインが無数に配され、
見る角度や位置によって座席が赤っぽく見えたり、黒っぽく
見えたりします。
丁度、車体細帯の「あずさバイオレット」の色味が紫色に見えたり、
青味がかって見えたりするのに似ていますが、こうした特性は
シールの製作側に取っては何とも頭を悩ませるデザインです。


サロ座席
座席のモケットは様々なバリエーションを試した結果、車両ボディを
被せた時の状態で最も映えるように、赤味の強いデザインを採用。
座席背面にはパソコンも置けるテーブルに普通車でも標準装備と
なった電源コンセント、その隣には少し小さめな(?)フットレストも
デザインしました。
可動式のヘッドレフトのカバーは白ではなく、若干淡いトーンの
ピンク色となっているところもポイントです。


客室とデッキとの仕切りドア
入り口のドアはかなり重厚な印象の真っ赤なドアになっています。
他の車両の仕切りドアがガラスを採用してドアの向こう側が見える
ようになっているのとは対照的です。
そして、サロE353の客室と反対側のスペースには順に荷物置場、
多目的室、洗面スペース、業務用室、車椅子対応大型トイレ、男子用
トイレ(模型では未成形)が並び、反対側には車販準備室と乗務員室が
設置されています。


車販準備室・乗務員室側
E353系と同じく高速バスとの顧客獲得競争に置かれた
JR九州の「787系つばめ」


787系つばめ1号車クモロ787
左:4人個室とレセプション 右:トイレと洗面室
「787系つばめ」も車内サービス向上のため多くの設備を
備えていましたが、サロE353のように1両の車両の中に
8つもの設備が備えられた車両のシール化は初めてです。


車椅子対応大型トイレ


車椅子対応大型トイレの内側
これまでシール化した大型トイレの中でも最も大きいトイレ
かもしれません。シールとしては開閉部分の各種ボタン、
内側にはベビーチェアや鏡、車椅子用の手すりをデザイン。
また、ドア乗降口付近にあるAEDは入念に作り込みを行いました。

上:荷物置場、多目的室、洗面スペース、業務用室の壁面
下:荷物置き場 右:洗面スペース部分の拡大シールデータ
大型トイレの先には、車掌室・洗面所・多目的室、荷物置き場に
業務用室などがあります。
ホテルを思わせる壁面は高級感溢れる木目調の壁面をベースに
模型のサイズに合わせた各種設備をしっかり再現!
ちなみにこの壁面シールは車内通路の内側であり、模型にボディを
被せてしまえば、外側からは一切見えない部分にも拘わらず、
奥行き感や立体感まで緻密に再現をしています。
実はこれこそがメイクアップシールの製作上、とても重要なファクターで
あり、制作室特有のデザイン美学でもあります。
見える見えないに拘わらず緻密なシールデザインを行うこと。
このポリシーがシールのクオリティの根幹を支えていると言っても
過言ではありません。このポリシーについては、また次回のブログで
もう少し詳しくご紹介できればと思います。

多目的室・車椅子対応大型トイレ側


多目的スペースの座席、若しくは簡易ベッドも再現可能
体調が悪くなった時や授乳時に利用できる多目的スペース。
メイクアップシールでは付属の木材加工で備え付けの座席と
簡易タイプの折りたたみ式の座席を再現頂けます。
尚、備え付けの座席の背ずり部分を倒すと、折りたたみ式
座席と合わせて簡易ベッドにする事も出来ます。
メイクアップシールでも実車に則って、背ずり部分のパーツの
接着位置を変える事で簡易ベッドを作る事も可能にしました。
さて、始めにもご紹介しましたが、サロE353の乗車定員は
30人ばかりと、決して輸送力の向上自体に主眼を置いた車両で
ない事は容易に想像が付きます。
では、サロE353の連結されている意味はどこにあるのかと
言えば、これまで触れてきました、車椅子用の大型トイレ、
そして体調不良や授乳時の多目的スペースといった設備に
その答えの一端があるように思えてなりません。
小さな子供を育てている母親、車椅子の方用のバリアフリー、
そしてAEDから高齢者の方といった、まさに日本社会の
多様化を意識し、それらの要望に応える為の具体的な答えで
あるという気がして来るのです。
他の普通車11両全てが南アルプスと梓川の清らかさをイメージ
したブルー基調の落ち着いたインテリアデザインなのに対して、
サロE353のみ赤と黒というダイナミック且つ力強いインテリア
デザインとなっています。
そのデザインには「機能性と高揚感、クラス感」を超えた
メッセージ性が隠されているのかもしれません。
サロE353はシール製作を通して、そんな事まで考えさせられる
車両でもありました。
さて、今回で基本4両セットにパッケージされている4両すべてに
ついて詳報をお届けしたことになります。
現在、メイクアップシールの方は各パッケージのマニュアル
製作を行っています。
次回の詳報第3弾では増結セットの普通車モハE353・モハE352に
ついてご紹介していきたいと思いますので、どうぞお楽しみに。
category: E353系
メイクアップシール~E353系あずさ・かいじ~詳報1

大変お待たせいたしました!本日の富塚通信は、メイクアップシール
新製品「E353系あずさ・かいじ」の詳報第1弾をお届けします。
「E353系」のメイクアップシールはKATOの模型構成に合わせ、
基本セット4両、増結セット5両、付属編成セット3両の3パッケージ
構成となります。
今回の詳報第1弾では、基本編成セットの東京向き制御車
クハE353形(4号車)と、松本向き制御車として使用されて
いるクハE352形(12号車)の2両をご紹介します。

4号車クハE353-3

12号車クハE352-3
共に前位側が運転台になっていますが、12号車の方は空気
圧縮機が出入台と客室の間に設けられ、後位側は端まで
客室となっています。

手前:4号車クハE353 奥:12号車クハE352
対して4号車のクハE353の後位側のデッキ部分にはW.C.と
洗面所が備えられており、空気圧縮機も後位側にあります。
運転台部分は視認性向上のために高床式貫通運転台と
なっています。
計器類はE259系やE657系と同タイプのLCD画面表示による
メーター表示器で構成。メーターや表示灯はこのLCD画面に
表示されます。


左側がNo.1メーター表示器、中央に戸閉表示灯、時計置、緊急防護
スイッチがあり、その右側にTIMS表示装置と防護無線装置となっています。
さらにその右にはNo.2メータ表示器が配置。
運転台には3つものLCD画面がありますが、これらの計器類は印刷が可能な
サイズいっぱいで全てデザインしてあります。


運転席の背面には遮断器盤や、ATS-P/Ps切換スイッチ盤が配置され、
背面仕切り部には、車掌ユニットや列車無線関係機器があります。
尚、出入台には配電盤ユニット、消火器にゴミ箱、そして温風暖房器
(ヒーター)が配置されています。ヒーターは木目調の壁面と同系色ですが、
実はカバーの内側にあるヒーター本体までデザイン制作を行いました。

上の4枚の運転台部分の写真は4号車クハE353ですが、
下の4枚は12号車クハE352の写真です。
運転台部分は4号車、12号車共通のデザインとなって
います。12号車の方には客室内に2段式の大きな荷物
置き場が設けられており、メイクアップシールでは、
プラ板加工で荷物置き場を再現する事が出来ます。


客室内の荷物置き場も再現可能
また、付属編成の3号車クモハE352と連結出来る4号車クハE353では、
運転台右下のフィルムシールに通行部分の通路をデザイン。
対して連結のない12号車では閉じられたドアとなっています。



運転台周辺の拡大シールデータ(※拡大の比率はシールによって異なります)
LCD画面は中央のものです。もちろんパネル下の主幹
制御器に運転席背面部分も緻密に再現。
木目調デッキ壁面の右下にあるのがヒーターです。
3号車と4号車の連結時には、乗客の移動が可能なように
ドアを開いた通路デザインのシール、若しくはドア仕様の
シールから選択が可能です。
また、連結時の通路デザインのシールを選択した場合は、
不測の事故を防ぐ為、運転席背面のシールはパネルカバーを
したタイプのシールもご用意。
連結、非連結時とそれぞれに対応した運転台周りを
再現頂けます。


普通車の座席


4号車クハE353の後位側デッキ部分
座席にはE353系の特徴である全席電源コンセントまでしっかりデザイン。
只、そのコンセントがあるのは座席背面の下側になります。
クハE353・クハE352は模型の床部分の成形に段差があり、座席に
2つ付いているコンセントの内、片側が床に隠れる形となってしまっています。
そうした事もあり、客室及び座席については、増結セット「モハE353」の
詳報にて改めてしっかりとお伝えしたいと思います。
以上、今回はメイクアップシール「E353系」基本セットの制御車
クハE353・クハE352の詳報をお届けしました。
次回は、同じく基本セットのグリーン車サロE353とモーター車、
E353-2003についてご紹介したいと思います。お楽しみに!
category: E353系