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座席考3 

今日は国鉄時代からJR民営化後まで、長い期間活躍した座席特急に
ついて展開しようと思います。代表する車両としては、ECでは183系・
485系、DCでは181系というところでしょうか。

これらの列車達はJR民営化後、JR各社ごとにアコモデーションされ
ましたが、どのようにアコモデーションされたかを振り返ってみたいと
思います。
今回は、変遷を見るのに国鉄仕様の「489系白山」そのアコモ改造形
である「489系能登」「489系あさま」、そして「183系たんば」「キハ181系
つばさ」を使用して対比させていきます。
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左から、「489系白山」「489系能登」「489系あさま」「183系たんば」「キハ
181系つばさ」




◎普通車
まずは座席の変化について、普通車からみていきます。
489系「白山」の普通席は489系デビュー当時のT17系座席で、通称ロマ
ンスシートと呼ばれていました。151系「こだま」から採用されたこの
シートはシートの回転だけでリクライニング機能は付いていませんでした。
T17は、485系「ひたち」が引退するまで(「ひたち」は1998年引退)使用
されていたので、最近まで(?)現役だった息の長い座席シートです。
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  T17

489系200番台を使用した「あさま」の普通座席はT17ではなく初期の段階
からR51簡易リクライニングシートが使用されていました。後にR55も導入
された為、R51・R55混合使用となりました。また座席モケットのカラー
リングも2種類あり、グリーンとブルーの2色モケットタイプと、渋い
パープルとグレイシュブルーの2色モケットタイプの2タイプの座席モケット
があります。
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左:R51系列シート  右:R55系列シート

489系「能登」の普通座席はクハとモハで座席が分かれており、クハには
フリーストップリクライニングシートのR55系列シート、モハにはR51簡易
リクライニングシートに背面テーブルを設置するなど加工したものが使用
されています。
また、肘掛けの色が茶色いものと青いものがあり、青い肘掛けの座席は、
もとは青いモケットだったものを、モケットだけ他の車両に合わせて茶色に
貼り替えたために、肘掛けだけが青く残ったものです。
ただしこの能登においては、シートピッチが910mmと狭く、また、シート
も古めかしいものに感じられ、特急車両の急行格下げ車両というのは
否めないようです。
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上:R55系列シート  下:R51系列シート

183系「たんば」は、485系を直流専用に改良したものです。その為その
外観は、交直両用の485系の姿を保っています。その時同時に、座席も
リフレッシュ改造も施され、R51改とリクライニングストッパーを付けた
R55C型の2タイプが車両によって混在しています。
座席モケットはどちらのタイプも、ダークブラウンとシルバーブルーの
ツートンカラーとなっています。ただし、クモハ485形200番台を直流化
改造したクモハ183が連結されている場合がありますが、この車両の
シートのみ、ピッチサイズが従来の910mmから1,010mmに変更となり、
モケットサイズもグレーのモケットでR55Cが採用されています。
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左:R51改  右:R55C


◎181系初期普通車と「はまかぜ」比較
キハ181系は、1968年中央西線の特急「しなの」に投入され、その後
北海道以外の全国で運用されました。製造年月日から、座席シートも
当然T17が使われていたのは云うまでもありません。
キハ181の最後の運用はJR西日本での「はまかぜ」の運用で(1982年
「はまかぜ」運用開始)、運用終了時(2010年11月)の座席シートはR55D
で、立身出世(?)していました。
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左:国鉄仕様・T17  右:「はまかぜ」仕様・R55D



◎グリーン車
さて、次はグリーン車の変遷についてみていきます。
国鉄時代のグリーン車といえばR27・R28系列シートです。国鉄時代から
引き継いだ車両で、大規模な内装のグレードアップを行っていない場合、
民営化後も国鉄時代のR27・R28は形式的にはそのまま使われ続けました。
これらの車両に該当するのが、489系「白山」「あさま」「能登」、そして
「はまかぜ」も含めた「キハ181系」がこれにあたります。
しかし、これらの列車はすでに廃止され、現行では583系急行「きたぐに」
のグリーン車のみとなってしまいました(R27)。
一方183系「たんば」は、民営化後大規模なグレードアップ(リフレッシュ)
工事が施され、現在のグリーン車の典型的なスタイルである2+1座席の
WRK108(1人掛け用)・WRK224(2人掛け用)が使用されています。
また、キハ181のグリーン車キロは、R27形シートとぼぼ同型のR28形
リクライニングシートが設置されていました。そして「はまかぜ」仕様
のグリーン車キロ180でもモケットの張り替えが行われたR28形リクライ
ニングシートが使用され、国鉄時代の座席に比べてモケットデザインが
近代的になっています。
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キハ181系 キロ180
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左:489系「白山」サロ  右:489系「あさま」サロ
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左:489系「能登」サロ  右:183系「たんば」クロ
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左:国鉄仕様  右:「はまかぜ」仕様



◎デッキ壁面変遷
最後に、座席ではないですが車内の壁面部分の変化について少し触れて
みたいと思います。
当時の国鉄の内装用素材は、アルミ合金基盤メラミン樹脂化粧板が主体
となっていて、各車両ごとに二等車は薄茶色4号、三等車は薄茶色6号と
いうように色の指定がなされていました。しかし民営化後は、この色指定
は解除され、各列車ごとに独自のカラーリングを施すようになりました。
また、デッキ壁面には配電盤を収納している扉や、ボックス式のゴミ箱
などもあって、多分にメカニック的な要素を直に見ることも出来ました。
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左:489系「白山」デッキ  右:489系「能登」デッキ
ただし、ゴミ箱に関しては、その後デッキ壁面内収納式(キハ181デッキ
壁面参照)へと移って行きました。


○489系「白山」壁面
1972(昭和47)年当時の国鉄のスタンダードといってもよい壁面スタイル。
このスタイルは、151系「こだま」から踏襲されたものです。大きな特徴は
客室側の壁面の下部分が木目調、グリーン車に至っては全面木目調に
なっている点が挙げられます。内装色も普通車が薄茶色6号、グリーンが
薄茶色4号と国鉄時代と同色のものを採用しています。
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489系「白山」壁面

○489系「あさま」壁面
1973(昭和48)年から489系200番台を投入した「あさま」のデッキ部分は、
国鉄仕様の489系「白山」と構造的にあまり大きな違いは見られません。
ただし、客室ドアが大型ガラスのものに変更され、ドアの色自体アルミ色
からカラーリングされたものが採用されていることや、客室壁面は木目調
がなくなり、部分的にカラー素材が増えるなどの違いが見られます。
「あさま」では、視覚の鮮やかさが重要視されたのではないでしょうか。
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489系「あさま」壁面

○489系「能登」壁面
1993(平成5)年から「白山」などに使用されていたボンネット型489系電車
が投入された「能登」。基本的には先の「白山」車両等と基本的な構造は
同じですが、多少の変化を感じさせます。モハ等の客室側の壁面が全面
緑色になり、通路ドアは単純なステンレス製ではなく、緑や茶色などの
従来の電車には用いられなかったドアが使用されています。ここに489系
のアコモデーションを見ることが出来ます。
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489系「能登」壁面

○183系「たんば」壁面
時代的に見て最も新しいといっていい車両の183系「たんば」。1996
(平成8)年に、北近畿タンゴ鉄道への乗り入れ時にグレードアップ
された車両です。消火器の設置場所が移動され、視覚的にシンプル
ナイズされています。181系「はまかぜ」や489系能登もJR西日本所属
の車両ですが、「はまかぜ」や「能登」にはないデザイン性とシックさ
が感じられます。
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183系「たんば」壁面

○キハ181
1968(昭和43)年に製造されたキハ181系。車両内装は純国鉄仕様と
なっていて、作りにしても素材の色味にしても郷愁を誘います。
因みに火災対策としてデッキには消火器が備えつけられており、これは
489系まで引き継がれていきます。尚、キハ181系のくずもの入れは
ボックス式ではなく、壁に直接設置されるタイプになっています。
「はまかぜ」ではデッキ壁面の色が違い、ドアのガラス部分が拡大されて
いるという大きな相違点があります。
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左:キハ181系国鉄仕様壁面  右:「はまかぜ」仕様壁面



今回の写真に使用した車両に関係のあるメイクアップシールは以下の
通りです。なお、「あさま」に関してはTOMIXから年末発売予定の
189系「あさま」にて製品化する予定です。

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◇ KATO 車両に対応 ◇
国鉄485・489系初期形電車 6両基本セット \2,100
国鉄485・489系初期形電車 6両増結セット \2,100
489系 急行 能登 9両セット \2,730
国鉄キハ181系気動車 7両セット \2,730

◇ TOMIX 車両に対応 ◇
183系 特急電車 たんば4両+まいづる3両 \2,100



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category: 寝台特急個室考

Posted on 2011/08/29 Mon.   edit  |  tb: 0   cm: 0