20系寝台客車シリーズ詳細情報3
本日の詳報3は、今風に言えば厨房がオール電化となった
「ナシ20」、そして2等座席緩急車「ナハフ20」と「ナハフ21」の
詳報をお届けします。
当時「特急」が付く列車には、長距離を走る夜行に限らず、
必ずと言っていい程、食堂車が連結されていました。
「特急列車に乗ったら食堂車で食事を楽しむ」
そういう時代の風を一身に集めていたのが「マシ20」でした。
ちなみにマシ20は4人掛けテーブルで定員が40名です。
富塚通信でも以前紹介したことがあったかと思いますが、
「カシオペア」のダイニングカーの定員が28名。「トワイライト
エクスプレス」のダイナープレヤデスの定員も同じく28名。
こうしてみると20系の食堂車「マシ20」の食事時などは、
乗客でごった返し、きっともの凄い熱気だったことでしょう。
また、座席車「ナハフ」も登場時は、なかなかの人気だったようです。
現在では座ったままの長距離移動は格安夜行バスの専売特許となって
います。しかし当時の人にとって、座席車での乗車だったなどという
事実は、「20系寝台特急に乗車したんだ」という満足感の前では些末な
問題に過ぎなかったのかもしれません。そして、そんな気持ちは
今の時代でも十分理解することが出来ます。
さて、メイクアップシールではナハフの座席を完全シール化。
また、食堂はナシ20は食堂はもとよりオール電化厨房のディティール
再現に注力しました。
特にナシ20は、日本車輌と日立製作所の2社が製造を行っており、
内装デザインが若干異なります。
今回のブログでは、こうしたところを中心にご紹介していきたいと
思います。
◎ナシ20◎
冒頭オール電化という言葉を使用しましたが、当時のマシ20の
宣伝記事等を見てもオールではないものの「完全電化」という
キャッチコピーが踊っています。
また、先述の通り日本車輌製が29両、日立製が7両製造され、
それぞれ室内デザインが異なるという点でも注目を集めました。
そこで今回のメイクアップシールでも、模型の車両ナンバーに
合わせて、
・「20系 特急形寝台客車 7両」→日本車輌仕様のデザイン
・「20系 さくら 7両」と「20系 寝台特急 さくら
長崎・佐世保 12両」→日立製仕様のデザイン
という風に、シールの方のデザインも作り分けてあります。
◎ナシ20 日本車輌製◎




◎ナシ20 日立製◎




◎日本車輌製と日立製車両の比較◎


左:日本車輌製 右:日立製


左:日本車輌製 右:日立製


左:日本車輌製 右:日立製

ナシ20 フィルムシールデータ 拡大画像
メイクアップシールでは、厨房の入り口部分、食堂の厨房反対側の壁面、
また厨房内の壁面を日本車輌製と日立製のナシ20でそれぞれ作り分けを
行いました。
日本車輌の厨房と食堂部分にはドアが取り付けられていませんが、
日立製のナシ20にはシルバードアが設けられています。
また食堂壁面のカラーが日本車輌と日立では異なっています。
しかし何と言ってもご注目頂きたいのは、厨房部分壁面の
作り分けです。食器棚の配置は勿論、足元の戸棚の取っての
違いまでこだわった製作を行いました。

ナシ20 厨房内オプション製作シール
また、厨房内はプラバン加工で、厨房台、流し台、業務用冷蔵庫
といったナシ20が誇るオール電化厨房を立体的に製作することが
可能となっています。
特に、今回の20系客車メイクアップシリーズでは、上記の
オプション製作を「プラバン加工」もしくは「厚紙製作」どちらか
お好きな作業方法をお選びいただけます。
製作室としましては、従来通りのプラバン加工の方を、強度的にも
お勧め致しますが、作業の手軽さでは製作用紙を折り曲げるだけで
作業が出来る「厚紙製作」の方に軍配があがります。

メイクアップなし オリジナルのナシ20
いずれにしましても、是非ナシ20の厨房内再現にチャレンジして
頂ければと思います。
◎ナハフ20◎
ナハフは20、21ともに車内の内装よりも、そのエクステリアの方に
話題が集中しやすい客車です。
1965年以降、ナハフ20はナハネフ20やナハネ20に改造されました。
メイクアップシールでは、「20系 さくら 7両」に含まれています。



◎ナハフ21◎
「さくら」編成はもとより、「はやぶさ」「みずほ」等でも用いられました。
客室はナハフ20と同じくナハ20を準拠としていますが、定員はナハフ20より
8人少ない60名となっています。
メイクアップシールではナハフ20と同じく、「20系 さくら 7両」に
のみ含まれています。



ナハフは、車両中央のグリーンの床にブルーモケットの最もスタンダードな
座席をシール化。またナハフ21の車端の壁面は、実車スケールでみると
写真右側の位置にきます。写真の様に、模型の成型に合わせて本来は存在
しない全ての座席をシール化しつつ、実車ベースの位置に壁面を製作する
ことも可能となっています。
(※従いまして写真の壁面取付位置は、間違っているわけではありません)
さて、今回取り上げました「ナシ20」「ナハフ20」「ナハフ21」の3両は、
前日の富塚通信で取り上げたA寝台客車が、後の寝台列車の本流となって
いくのに対し、車両が製造された1960年代以降、徐々にその活躍の場を
失っていきます。
ナハフは、登場から10年を経ずしてナハネフに改造され始めたのは
既に触れた通りですが、確か20系の全客車の中で最も早く廃車を出した
のがナシ20であったように記憶しています。
衰退の理由は、ナハフに関しては寝台ベッド化の推進。食堂車の方は、
列車の運行速度の高速化等から食事をとる必要性が減少していったこと、
またスタッフ人員を含めた車両の維持費の負担といった具合に、細かく
分析していけば色々な原因が挙げられます。
しかし、突き詰めていえば衰退の1番大きな理由は利用者離れが進んだ
というのが要諦であったと思われます。
こうしてみると時を同じくして製造された20系編成の客車の中にも、
現実に翻弄される客車の姿を見て取ることが出来ます。
鉄道ファンとしては、せめてレイアウトの上では利用者離れなど
気にせずに、全車輛分け隔てなく走行を楽しみたいものです。
さて次回の詳報4は、いよいよ「マヤ20」と「カニ21」「カニ22」の
電源車トリオです。お楽しみに。
ホームページ>>
「ナシ20」、そして2等座席緩急車「ナハフ20」と「ナハフ21」の
詳報をお届けします。
当時「特急」が付く列車には、長距離を走る夜行に限らず、
必ずと言っていい程、食堂車が連結されていました。
「特急列車に乗ったら食堂車で食事を楽しむ」
そういう時代の風を一身に集めていたのが「マシ20」でした。
ちなみにマシ20は4人掛けテーブルで定員が40名です。
富塚通信でも以前紹介したことがあったかと思いますが、
「カシオペア」のダイニングカーの定員が28名。「トワイライト
エクスプレス」のダイナープレヤデスの定員も同じく28名。
こうしてみると20系の食堂車「マシ20」の食事時などは、
乗客でごった返し、きっともの凄い熱気だったことでしょう。
また、座席車「ナハフ」も登場時は、なかなかの人気だったようです。
現在では座ったままの長距離移動は格安夜行バスの専売特許となって
います。しかし当時の人にとって、座席車での乗車だったなどという
事実は、「20系寝台特急に乗車したんだ」という満足感の前では些末な
問題に過ぎなかったのかもしれません。そして、そんな気持ちは
今の時代でも十分理解することが出来ます。
さて、メイクアップシールではナハフの座席を完全シール化。
また、食堂はナシ20は食堂はもとよりオール電化厨房のディティール
再現に注力しました。
特にナシ20は、日本車輌と日立製作所の2社が製造を行っており、
内装デザインが若干異なります。
今回のブログでは、こうしたところを中心にご紹介していきたいと
思います。
◎ナシ20◎
冒頭オール電化という言葉を使用しましたが、当時のマシ20の
宣伝記事等を見てもオールではないものの「完全電化」という
キャッチコピーが踊っています。
また、先述の通り日本車輌製が29両、日立製が7両製造され、
それぞれ室内デザインが異なるという点でも注目を集めました。
そこで今回のメイクアップシールでも、模型の車両ナンバーに
合わせて、
・「20系 特急形寝台客車 7両」→日本車輌仕様のデザイン
・「20系 さくら 7両」と「20系 寝台特急 さくら
長崎・佐世保 12両」→日立製仕様のデザイン
という風に、シールの方のデザインも作り分けてあります。
◎ナシ20 日本車輌製◎




◎ナシ20 日立製◎




◎日本車輌製と日立製車両の比較◎


左:日本車輌製 右:日立製


左:日本車輌製 右:日立製


左:日本車輌製 右:日立製

ナシ20 フィルムシールデータ 拡大画像
メイクアップシールでは、厨房の入り口部分、食堂の厨房反対側の壁面、
また厨房内の壁面を日本車輌製と日立製のナシ20でそれぞれ作り分けを
行いました。
日本車輌の厨房と食堂部分にはドアが取り付けられていませんが、
日立製のナシ20にはシルバードアが設けられています。
また食堂壁面のカラーが日本車輌と日立では異なっています。
しかし何と言ってもご注目頂きたいのは、厨房部分壁面の
作り分けです。食器棚の配置は勿論、足元の戸棚の取っての
違いまでこだわった製作を行いました。

ナシ20 厨房内オプション製作シール
また、厨房内はプラバン加工で、厨房台、流し台、業務用冷蔵庫
といったナシ20が誇るオール電化厨房を立体的に製作することが
可能となっています。
特に、今回の20系客車メイクアップシリーズでは、上記の
オプション製作を「プラバン加工」もしくは「厚紙製作」どちらか
お好きな作業方法をお選びいただけます。
製作室としましては、従来通りのプラバン加工の方を、強度的にも
お勧め致しますが、作業の手軽さでは製作用紙を折り曲げるだけで
作業が出来る「厚紙製作」の方に軍配があがります。

メイクアップなし オリジナルのナシ20
いずれにしましても、是非ナシ20の厨房内再現にチャレンジして
頂ければと思います。
◎ナハフ20◎
ナハフは20、21ともに車内の内装よりも、そのエクステリアの方に
話題が集中しやすい客車です。
1965年以降、ナハフ20はナハネフ20やナハネ20に改造されました。
メイクアップシールでは、「20系 さくら 7両」に含まれています。



◎ナハフ21◎
「さくら」編成はもとより、「はやぶさ」「みずほ」等でも用いられました。
客室はナハフ20と同じくナハ20を準拠としていますが、定員はナハフ20より
8人少ない60名となっています。
メイクアップシールではナハフ20と同じく、「20系 さくら 7両」に
のみ含まれています。



ナハフは、車両中央のグリーンの床にブルーモケットの最もスタンダードな
座席をシール化。またナハフ21の車端の壁面は、実車スケールでみると
写真右側の位置にきます。写真の様に、模型の成型に合わせて本来は存在
しない全ての座席をシール化しつつ、実車ベースの位置に壁面を製作する
ことも可能となっています。
(※従いまして写真の壁面取付位置は、間違っているわけではありません)
さて、今回取り上げました「ナシ20」「ナハフ20」「ナハフ21」の3両は、
前日の富塚通信で取り上げたA寝台客車が、後の寝台列車の本流となって
いくのに対し、車両が製造された1960年代以降、徐々にその活躍の場を
失っていきます。
ナハフは、登場から10年を経ずしてナハネフに改造され始めたのは
既に触れた通りですが、確か20系の全客車の中で最も早く廃車を出した
のがナシ20であったように記憶しています。
衰退の理由は、ナハフに関しては寝台ベッド化の推進。食堂車の方は、
列車の運行速度の高速化等から食事をとる必要性が減少していったこと、
またスタッフ人員を含めた車両の維持費の負担といった具合に、細かく
分析していけば色々な原因が挙げられます。
しかし、突き詰めていえば衰退の1番大きな理由は利用者離れが進んだ
というのが要諦であったと思われます。
こうしてみると時を同じくして製造された20系編成の客車の中にも、
現実に翻弄される客車の姿を見て取ることが出来ます。
鉄道ファンとしては、せめてレイアウトの上では利用者離れなど
気にせずに、全車輛分け隔てなく走行を楽しみたいものです。
さて次回の詳報4は、いよいよ「マヤ20」と「カニ21」「カニ22」の
電源車トリオです。お楽しみに。
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category: 20系寝台客車