メイクアップシール(HO)キハ81キハ82系~詳報3~
先日に続き、今回もHOゲージ用「キハ81キハ82系」
メイクアップシールの詳報をお届けします。
本日は、単品車両のキハ81と食堂車キシ80について
ご紹介していきたいと思います。
先ずはキハ81です。車両外観についてはキハ82と大きく異なる
ボンネットスタイルをしており、エンジンの騒音と機器類の設置の
関係から車内レイアウトもまた特徴的な構成となっていますが、
模型的にキハ82と決定的に違うのはやはり運転台です。




運転台中央部分を取り外した状態
こだま型に準じたスタイル。タブレット交換を行うことを考慮し、
高さを抑えた設計となっています。
模型の運転台パーツはボンネット内のエンジンと一体の成形と
なっており、中央部分と分割する珍しい仕様です。
シールでは中央部分とそれ以外の部分それぞれを細分化して
シール化しましたが、運転室パーツを車両から取り外すのは、
キハ82の運転台に比べ難易度が高くなっています。
無理な取り外しはパーツの破損に繋がりますので、慎重な作業が
求められます。


左:座席 右:売店スペース、果たしてその目的は…
キハ81の客室座席はキハ82と同じですが、構造的に見て興味
深いのが車両後位側にある物置・売店エリアです。
売店にはジュースクーラーだけではなくアイスクリームストッカー
まで備え付けられていたとの事ですが、なぜここに売店が必要
だったのか?その答えは列車編成にありました。
1号車キハ81に連結されていた2号車は一等車キロ80でした。
そのため1号車キハ81の乗客が食事をするには、2号車キロを
通って食堂車キシ80へ行かなければなりません。しかし、国鉄
としては一等車キロを通過されるのはあまり好ましくない。
そこでキハ81の車端に売店を設ける事で、キハ81の乗客には
出来る限りキハ81車内で用事を済ませてもらう為に売店が営業
していたのでした。
まさに時代の要求が成せるワザといったところです。
さて、折角キハ81の売店から食堂車キシ80の話が出ましたので、
ここからはキシ80についてご紹介していきます。
もともとはディーゼル特急「はつかり」用の食堂付随車キサシ80が
登場し、ヨン・サン・トオを機に量産されたのがキシ80です。

食堂


車内配置は前位側から休憩室、乗務員室、食堂、料理室、従業員
控室、水タンク室となっており、食堂の定員は32名でした。

厨房


模型の料理室には配膳台をはじめ、流し台、冷蔵庫や冷蔵ケース等が
予め成形されていますが、一部物置部分やドアなどにプラバン加工を
行って再現している箇所があります。
ちなみに国鉄固定編成の特急型車両では、補助電源の搭載位置や
供給量が列車運行上とても重要なファクターとなります。
食堂車と言えばどうしても食事や調理の方に目が行ってしまいがち
ですが、この補助電源の搭載位置や性能が食堂車の車内レイアウト
にも大きく関わっていたりします。
現に短編成を念頭に製造されたキシ80では、駆動用機関を2台搭載し
列車走行時の出力不足を補っていました。キシ80は食事をするだけの
車両には非ず。そういった視点でキハ81・キハ82系の列車編成を
眺めてみると、なかなか興味深い発見があるかもしれません。
さて、今回の富塚通信は単品セットのキハ81、そして同じく単品セット
としてリリースされているキシ80の詳報をお届けしてきましたが、
最後に近日発売予定の「キハ81/キハ82系」メイクアップシール製品の
パッケージ構成についてご案内します。
この度、発売しますHOゲージ「キハ81/キハ82系」メイクアップシールは、
「基本4両セット」「増結単品セットA」「増結単品セットB」の
3パッケージ構成での販売となります。
各パッケージの対応車両は以下の通りです。
「基本4両セット」
キハ82・キハ80(M車)・キロ80・キハ82
(※(HO)キハ82系 4両基本セットに対応)
「増結単品セットA」
キハ81・キハ82-900・キロ80・キシ80
(※各単品車両に対応)
「増結単品セットB」
キハ81・キハ80・キハ80・キハ80
(※単品車両キハ80のM車・T車両対応)
次回の富塚通信は、「キハ81/キハ82系」メイクアップシールの
発売情報をお届け予定です。
商品発売までもうしばらくお待ちください。
category: (HO)キハ81キハ82系