~川を作るにも絵心は必要?~ジオラマ製作記6
本日の富塚通信は前回のジオラマ製作記5の続きです。
2度塗りしたグロスポリマーメディウムをしっかりと
乾燥させてみたところ…なんと!?

川が見事なブルー&水色になってしまいました。
確かに鮮やかなブルー(水色)の河川もあるとは思いますが、
少なくとも今回のジオラマ製作のコンセプトである
「心安らぐ農村風景」を流れる川のイメージとは異なります。
どうしてこうなってしまったのか?実は心当たりが…


前回の製作記5で1度目のグロスポリマーメディウムを
流し込んで乾燥させて後、川の色味が川底の水色そのもの
だったので、少し青味を持たせたいと、メディウムの
表面にクリアーブルーを薄く塗ってみたのでした。
イメージでは川底の水色にクリア(透明な)ブルーが
被さることで、丁度良い青味になることを期待したのですが、
想定を超えてビビッドな色合いの川に!
川の色については幾つかの条件が重なって作り出される
わけですが、最も大きな要因は川の中で起こる光の散乱
だそうです。故に川を見る位置やその日の天候によって
川の色も常に異なってくるわけです。
実際、今回製作したい川の色味は青味がかった緑の川、
もしくは若干鈍色っぽい川です。
しかし、あまり漠然としたイメージでは、また失敗に
つながるので、木材の切れ端を用意して、色の調合と
確認を行いました。塗料は模型用のものを使っています。

色味の確認では折角なので、グロスポリマーメディウムの
流し込み方や何か良い重ね塗りの方法等がないかも試して
みました。
その結果、今度は鮮やかさを抑えつつ、青味の中に緑色と
灰色の流れがしっかりと視認出来るよう塗装。
さらに川の流れが強調されるように敢えて筆のタッチを
荒くして描画してみたのですが…


ジオラマを遠目から見る分にはそれなりに見えます。
しかし、少し近づいてみると、色と色の境目がくっきりと
し過ぎており、粗い印象の仕上がりとなってしまいました。
この失敗を活かして、今度はあまり色を使わずに、
使う塗料を絞ることにしました。
色々と試した結果、今回は水性ホビーの「ブルーグレー」と
「インディブルー(青)」の2色だけを選択。


調色の比率はブルーグレーをメインに、3割前後インディ
ブルーを混ぜながら塗装しました。
本当は川の中心部分はそれだけ水深があるはずなので、
少し濃い青味になるようにしようかとも考えました。
しかし、ジオラマ実寸の川幅は決して広くはない事を
考慮して、今回は完全に均一というわけではないものの、
あまり極端な色味の違いが表れないよう気を付けながら
着色する事に。


川の着色が終わったら前回同様、グロスポリマー
メディウムにクリアーブルーを混ぜて、川の部分に
流し込みます。
尚、今回は川の色に少し緑のテイストが欲しかったので、
クリアーグリーンも混ぜてみましたが、乾燥の経過を
見る限り、ほとんど効果が表れているようには思えません。
今回の川の再現ポイントをまとめてみました。
1:クリアー系の塗料はメディウムに混ぜても効果なし
2:しかし、メディウムに直接塗るととても鮮やかに
3:川には色を多用せず、メインカラーを絞る
4:色はあまり原色系のものは使わず、彩度の低いものを
5:色の境界が目立たないようにぼやかしながら着色
当然、再現したいと思う川によって、上記の要件が
当てはまらない事は言うまでもありません。
しかし、どのような川を再現するにしても絵心は
あった方が良いという事だけは痛感しました。
さて、これからしっかりとメディウムを乾燥させてから
次の作業に進んでいきます。
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