グリーンマックス73形キット製作記その1
前回のトピックスで73形は随分と古い車両だと述べましたが、
件の横浜線では1979年まで現役で運用されていました。
1979年(昭和54)。あのピンク・レディーの代表曲「UFO」は1977年で
「サウスポー」が1978年。
更に言えば、キャンディーズの解散も1977年の事でした。
長老曰く、「つまりピンク・レディーやキャンディーズの活躍を
現役で見ていた横浜線の73形電車は、そんなに古い電車では無いんだ」
と力説するのでした。
ちなみに1979年は国鉄初乗り運賃が値上げし、ついに100円と
なったそうで、こんな事実を知ってしまうと、やはり73形電車は
昔の列車のようなような気がしないでもありません。

さて、そんな国鉄73形車両のキット。
今回は塗装済みのクハ79形とモハ72+サハ78形のパッケージ。
そして塗装済みが入手出来なかったので、未塗装のクモハ73形の
4両分のキットを製作します。
モハ72は走行用に動力ユニットを取り付ける為、
グリーンマックスのコアレスモーター動力ユニットと
DT13台車と動力台車枠などのパーツも揃えました。

未塗装キットのクモハ73形を開封するとこのような感じに。
前面部分が原型とHゴム更新型の選択が可能で、屋根上の
ベンチレーターなどが付いたパーツセットは全パック共通。
台車下の床下機器は最初から黒く塗装済みでした。
まずは車体を指定のGM鉄道カラー2「ぶどう色2号」で
塗装しましたが…


上右写真の塗装済みキットと比べると色の違いが一目瞭然。
重ね塗りが必要になる事は分かっていましたが、この後
5回ほど重ね塗りを行いました。
さて、この車体は63系電車から引き継いだ元祖片開き4ドア車で、
最盛期の1950年代には約1,450両という当時の通勤電車の一大
勢力を誇ったそうです。
もともと戦後復興期の車両として作られたため、非常にシンプルな
デザインと輸送力最優先で設計された実用性重視の車両でした。
座席はロングシートで、101系以降ドアが両開きになるものの、
現在の通勤電車の基本的なルーツとなった形式です。

塗装済みキットの方も、車体部分の接着を行っていきます。
窓は今では見たことがない3段窓。この形状は前身の63系電車から
引き継いだもので、窓の中央を固定して上部分と下部分の窓を
開閉する事で、座っている人だけではなく、立っている乗客に
対しての風通しも配慮した設計でした。


次に貫通扉を旧型らしくベージュ色に塗装します。
すでに塗装済みのものは下の色が濃いのでしっかり塗装と乾燥を
繰り返します。ホロ取り付け部分のマスキングテープは2mm幅の
ものできっちり隙間をなくした上に、全面を18mm幅のもので
覆いました。

全体的な塗装が済んだら、Hゴム部分をGM鉄道カラー9の
「ねずみ色1号」で、平筆の腹の部分で角度をつけながら
ゆっくりなぞり塗装します。


最後に付属のガラスをサイズに合わせて切り出し貼り付ければ、
ボディは完成です。うっかり接着剤がはみ出るとバリの
ようになるので注意しました。

床板パーツに床下機器を接着。続けてつや消しブラックで黒く
塗装しました。

ちなみにクモハ73の主抵抗器は実車でもグレー塗装となっていて、
よく目立つアクセントとなります。この主抵抗器部分のみ、
Hゴム部分と同じくGM鉄道カラー9の「ねずみ色1号」で筆塗り
してあります。

さて、次回は屋根上の加工と台車周りの製作をお届けしていきます。
どうぞ、お楽しみに。
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