メイクアップシール~(HO)国鉄583系~
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コラム:1「初めて583系が目の前を走り過ぎた日」
筆者は、いわゆる「こだま型」電車を幼少の頃から敬愛している。
そんな筆者は中学生のころ、仙台に住んでいたこともあり、
485系電車を眺めに仙台車両センターによく通ったものだった。
ある日、いつものように485系電車を見に行くと、見慣れない
電車が高速で私の前を通過していった。後から調べてみると、
その電車が583系の下り「はつかり」であった事が分かった。

クハネ581
485系ボンネットとは、また対照的なフォルムを持つ583系は、
当時の私にとって受け入れられない存在でもあったが、
落ち着いた青15号とクリーム1号の配色で身を包み、運転席
窓の下に煌めくJNRのロゴ。そして寝台特急として初の120km/h
運転の実現と、その姿とスピード感は新たな時代の特急電車の
風格を備えていた事は否定のしようがない事実でもあった…
(コラム2へと続く)
───────────────────────────
さて、本日の富塚通信は学生時代の筆者の目の前に颯爽と現れて、
鮮烈な印象を残した「583系電車」対応のメイクアップシールに
ついてご紹介します。
尚、583系のメイクアップシールはKATOのNゲージ対応の製品も
ありますが、今回はTOMIXのHOゲージ対応製品を取り上げます。
まず、メイクアップシールでは20種類もの文字と絵柄の
ヘッドマークシールを収録。

1967年(昭和42年)、直流・交流60Hzに対応した581系が誕生し、
翌1968年(昭和43年)には直流・交流50/60Hzという3電源方式に
対応の583系が登場。東北本線や北陸本線でも運行が始まります。
583系の最大の特徴は、昼間はボックスタイプの座席車として運行、
夜間になると三段ベッドの寝台車による運用と昼夜どちらでも営業
出来る車両だったこともあり、ヨンサントオのダイヤ改正では、
「明星」「金星」「つばめ」「はと」「きりしま」「しおじ」「有明」「しらさぎ」
「なは」「彗星」「雷鳥」「日輪」といった多くの優等列車にされます。
また、シールに収録のヘッドマークでは、1978年頃の
「はつかり」「はくつる」「ゆうづる」「みちのく」をはじめ、
「しらさぎ」や「ひばり」などを再現出来ます。
「クハネ583・モハネ583」
B寝台車兼普通車。昼行運用時は4人掛ボックスシート
として使用。ボックスシートの天井部分に中段・上段寝台を
格納してありました。寝台状態は線路方向に人が寝る形に
なるプルマンスタイルを採用。

クハネ583

クハネ581にも対応
パッケージではクハネ583だけではなく、クハネ581にも
対応しています。
これによりTOMIXの品番:HO-019「国鉄 583系 特急電車
(クハネ583)基本セット」だけではなく、品番:HO-018の
「国鉄 583系 特急電車(クハネ581)基本セット」でも
お使いいただけます。




モハネ583
実車では昼行用と夜行寝台用のベッドをどのように収納、
展開するか相当頭を絞ったようです。HOゲージの模型では
昼行仕様のボックスシートでの再現となります。
寝台でも併用するということで、ボックスサイズにはゆとりがあり、
クッションも厚めの作りになっていましたが、リクライニング
機能はありませんでした。
「サロ581」

サロ581
運用線区によってグリーン車の連結は必要不可欠という事で
誕生したサロ581。
客室部分はサロ481を踏襲しているのだが、他の寝台機能を
持つ車両と車高を揃えたことで、天井が高くなっています。


サロ581の座席もサロ481と同じR27シートが採用されて
いました。尚、トイレの設置については、一方の車端に
和式と洋式のものをそれぞれ配置することに。
「サシ581」

サシ581
サシ581もサロ581と同様に、サシ481が車両のベースに
なっています。






食堂は4人掛のテーブルが10脚備えられ、跳ね上げ式の
ものが採用されています。シールでは赤色と黄色の座席が
交互に並ぶようにデザインしました。
また、厨房はお馴染みのコンロに流し台、冷蔵庫や食材
置き場などが再現出来ます。尚、本車両は厨房従業員が
仮眠に出来るように車販準備室が広めになっているのも
特徴です。
「寝台再現」について

寝台再現
別売のメイクアップシール「国鉄 583系 寝台カーテン・
ブラインドセット 11両」には、各種ブラインドシールの
他に、クハネやモハネの寝台状態を再現出来る、寝台
ベッド再現シールや仕切りカーテンが付属しています。


寝台ベッド再現
寝台ベッドの再現方法は付属の角棒を模型に接着して、
専用のベッドシールを貼るだけです。

ボックスシートシール 左:昼行用 右:寝台用
ボックスシートのシールは昼行用と寝台用でシールを
作り分けてあります。寝台用のシールには夜間の読書灯も。
窓ガラス用のブラインドはベネシャンブラインド。


左:仕切りカーテンと寝具 右:ベネシャンブラインド
寝台ベッドの再現と併用する寝台用仕切りカーテンと
寝具シールも付属。寝具はベッドの上に、仕切り
カーテンは通路側に接着するだけで、ボディを被せると
あたかも夜行寝台の車内に早変わり。

尚、「寝台カーテン・ブラインドセット」には寝台再現
状態のボックスシート用シールが印刷されています。
他の「583系」基本・増結・単品セットのボックスシート用
シールは昼行用のデザインとなっていますので、寝台再現を
する場合は、予め「寝台カーテン・ブラインドセット」を
お求めいただき、他のパッケージと併用しながら作業を
行っていただく必要があります。
TOMIXのHOゲージ「国鉄 583系 特急電車」対応
メイクアップシール

「国鉄 583系 特急電車 基本セット4両」8,580円
(品番:TM-TH016)
「国鉄 583系 特急電車 増結セット4両」8,580円
(品番:TM-TH017)
「国鉄 583系 特急電車 単品セット3両」8,140円
(品番:TM-TH018)
「国鉄 583系 寝台カーテン・ブラインドセット11両」4,180円
(品番:TM-TH019)
(※販売価格は、2022年11月時点のものです)
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それぞれのパッケージの対応模型は下記の通りです。
◎「国鉄 583系 特急電車 基本セット 4両」
品番:HO-019「国鉄 583系 特急電車(クハネ583)
基本セット」若しくは、品番:HO-018「国鉄 583系
特急電車(クハネ581)基本セット」
◎「国鉄 583系 特急電車 増結セット4両」
品番:HO-020「国鉄 583系 特急電車 増結セットM」
品番:HO-021「国鉄 583系 特急電車 増結セットT」
◎「国鉄 583系 特急電車 単品セット3両」
品番:HO-359「国鉄電車 サハネ581形」
品番:HO-360「国鉄電車 サロ581形」
品番:HO-361「国鉄電車 サシ581形」
◎「国鉄 583系 寝台カーテン・ブラインドセット11両」
上記の基本4両・増結4両・単品3両すべての車両
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臨時列車として残っていた車両も2017年をもって完全に引退と
なってしまいましたが、583系は電車は昼夜特急という世界でも
類を見ない独創的な車両として語り継がれることでしょう。
昼行用再現はもちろん、寝台状態のB寝台の再現も
TOMIX用HOゲージ対応メイクアップシール「583系」
各パッケージで、是非お楽しみください。
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コラム:2「583系急行格下げへの思い」
…その後、社会人となった筆者はたびたび、常磐線や東北本線を
利用するようになり、「ゆうづる」「はくつる」に「ひばり」と
いった583系の列車に乗車する機会が増えた。そうした事もあって、
気付かぬ内に583系に愛着を持つようにもなっていた。
そんな私にとっては新時代の寝台特急となった583系だが、
昼夜行特急という過酷なダイヤと運用方法から車体の損耗は著しく、
他方ボックスシートの不人気といった理由から、583系の華々しい
活躍の期間はそれほど長いものとはならなかった。
その登場時から特急の481系を次々と凌駕し、全国で活躍する
583系の絶頂期までを知っている筆者にとって、特急からの急行への
格下げには一抹の寂しさを覚えたものだった。
「きたぐに」や「急行津軽」などの急行へ格下げされる前、出来ること
ならば急行として長く活躍してほしいと思う反面、特急の威厳を
保ったまま引退をと願ってしまったのは筆者だけなのだろうか。
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コラム:1「初めて583系が目の前を走り過ぎた日」
筆者は、いわゆる「こだま型」電車を幼少の頃から敬愛している。
そんな筆者は中学生のころ、仙台に住んでいたこともあり、
485系電車を眺めに仙台車両センターによく通ったものだった。
ある日、いつものように485系電車を見に行くと、見慣れない
電車が高速で私の前を通過していった。後から調べてみると、
その電車が583系の下り「はつかり」であった事が分かった。

クハネ581
485系ボンネットとは、また対照的なフォルムを持つ583系は、
当時の私にとって受け入れられない存在でもあったが、
落ち着いた青15号とクリーム1号の配色で身を包み、運転席
窓の下に煌めくJNRのロゴ。そして寝台特急として初の120km/h
運転の実現と、その姿とスピード感は新たな時代の特急電車の
風格を備えていた事は否定のしようがない事実でもあった…
(コラム2へと続く)
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さて、本日の富塚通信は学生時代の筆者の目の前に颯爽と現れて、
鮮烈な印象を残した「583系電車」対応のメイクアップシールに
ついてご紹介します。
尚、583系のメイクアップシールはKATOのNゲージ対応の製品も
ありますが、今回はTOMIXのHOゲージ対応製品を取り上げます。
まず、メイクアップシールでは20種類もの文字と絵柄の
ヘッドマークシールを収録。

1967年(昭和42年)、直流・交流60Hzに対応した581系が誕生し、
翌1968年(昭和43年)には直流・交流50/60Hzという3電源方式に
対応の583系が登場。東北本線や北陸本線でも運行が始まります。
583系の最大の特徴は、昼間はボックスタイプの座席車として運行、
夜間になると三段ベッドの寝台車による運用と昼夜どちらでも営業
出来る車両だったこともあり、ヨンサントオのダイヤ改正では、
「明星」「金星」「つばめ」「はと」「きりしま」「しおじ」「有明」「しらさぎ」
「なは」「彗星」「雷鳥」「日輪」といった多くの優等列車にされます。
また、シールに収録のヘッドマークでは、1978年頃の
「はつかり」「はくつる」「ゆうづる」「みちのく」をはじめ、
「しらさぎ」や「ひばり」などを再現出来ます。
「クハネ583・モハネ583」
B寝台車兼普通車。昼行運用時は4人掛ボックスシート
として使用。ボックスシートの天井部分に中段・上段寝台を
格納してありました。寝台状態は線路方向に人が寝る形に
なるプルマンスタイルを採用。

クハネ583

クハネ581にも対応
パッケージではクハネ583だけではなく、クハネ581にも
対応しています。
これによりTOMIXの品番:HO-019「国鉄 583系 特急電車
(クハネ583)基本セット」だけではなく、品番:HO-018の
「国鉄 583系 特急電車(クハネ581)基本セット」でも
お使いいただけます。




モハネ583
実車では昼行用と夜行寝台用のベッドをどのように収納、
展開するか相当頭を絞ったようです。HOゲージの模型では
昼行仕様のボックスシートでの再現となります。
寝台でも併用するということで、ボックスサイズにはゆとりがあり、
クッションも厚めの作りになっていましたが、リクライニング
機能はありませんでした。
「サロ581」

サロ581
運用線区によってグリーン車の連結は必要不可欠という事で
誕生したサロ581。
客室部分はサロ481を踏襲しているのだが、他の寝台機能を
持つ車両と車高を揃えたことで、天井が高くなっています。


サロ581の座席もサロ481と同じR27シートが採用されて
いました。尚、トイレの設置については、一方の車端に
和式と洋式のものをそれぞれ配置することに。
「サシ581」

サシ581
サシ581もサロ581と同様に、サシ481が車両のベースに
なっています。






食堂は4人掛のテーブルが10脚備えられ、跳ね上げ式の
ものが採用されています。シールでは赤色と黄色の座席が
交互に並ぶようにデザインしました。
また、厨房はお馴染みのコンロに流し台、冷蔵庫や食材
置き場などが再現出来ます。尚、本車両は厨房従業員が
仮眠に出来るように車販準備室が広めになっているのも
特徴です。
「寝台再現」について

寝台再現
別売のメイクアップシール「国鉄 583系 寝台カーテン・
ブラインドセット 11両」には、各種ブラインドシールの
他に、クハネやモハネの寝台状態を再現出来る、寝台
ベッド再現シールや仕切りカーテンが付属しています。


寝台ベッド再現
寝台ベッドの再現方法は付属の角棒を模型に接着して、
専用のベッドシールを貼るだけです。

ボックスシートシール 左:昼行用 右:寝台用
ボックスシートのシールは昼行用と寝台用でシールを
作り分けてあります。寝台用のシールには夜間の読書灯も。
窓ガラス用のブラインドはベネシャンブラインド。


左:仕切りカーテンと寝具 右:ベネシャンブラインド
寝台ベッドの再現と併用する寝台用仕切りカーテンと
寝具シールも付属。寝具はベッドの上に、仕切り
カーテンは通路側に接着するだけで、ボディを被せると
あたかも夜行寝台の車内に早変わり。

尚、「寝台カーテン・ブラインドセット」には寝台再現
状態のボックスシート用シールが印刷されています。
他の「583系」基本・増結・単品セットのボックスシート用
シールは昼行用のデザインとなっていますので、寝台再現を
する場合は、予め「寝台カーテン・ブラインドセット」を
お求めいただき、他のパッケージと併用しながら作業を
行っていただく必要があります。
TOMIXのHOゲージ「国鉄 583系 特急電車」対応
メイクアップシール

「国鉄 583系 特急電車 基本セット4両」8,580円
(品番:TM-TH016)
「国鉄 583系 特急電車 増結セット4両」8,580円
(品番:TM-TH017)
「国鉄 583系 特急電車 単品セット3両」8,140円
(品番:TM-TH018)
「国鉄 583系 寝台カーテン・ブラインドセット11両」4,180円
(品番:TM-TH019)
(※販売価格は、2022年11月時点のものです)
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それぞれのパッケージの対応模型は下記の通りです。
◎「国鉄 583系 特急電車 基本セット 4両」
品番:HO-019「国鉄 583系 特急電車(クハネ583)
基本セット」若しくは、品番:HO-018「国鉄 583系
特急電車(クハネ581)基本セット」
◎「国鉄 583系 特急電車 増結セット4両」
品番:HO-020「国鉄 583系 特急電車 増結セットM」
品番:HO-021「国鉄 583系 特急電車 増結セットT」
◎「国鉄 583系 特急電車 単品セット3両」
品番:HO-359「国鉄電車 サハネ581形」
品番:HO-360「国鉄電車 サロ581形」
品番:HO-361「国鉄電車 サシ581形」
◎「国鉄 583系 寝台カーテン・ブラインドセット11両」
上記の基本4両・増結4両・単品3両すべての車両
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臨時列車として残っていた車両も2017年をもって完全に引退と
なってしまいましたが、583系は電車は昼夜特急という世界でも
類を見ない独創的な車両として語り継がれることでしょう。
昼行用再現はもちろん、寝台状態のB寝台の再現も
TOMIX用HOゲージ対応メイクアップシール「583系」
各パッケージで、是非お楽しみください。
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コラム:2「583系急行格下げへの思い」
…その後、社会人となった筆者はたびたび、常磐線や東北本線を
利用するようになり、「ゆうづる」「はくつる」に「ひばり」と
いった583系の列車に乗車する機会が増えた。そうした事もあって、
気付かぬ内に583系に愛着を持つようにもなっていた。
そんな私にとっては新時代の寝台特急となった583系だが、
昼夜行特急という過酷なダイヤと運用方法から車体の損耗は著しく、
他方ボックスシートの不人気といった理由から、583系の華々しい
活躍の期間はそれほど長いものとはならなかった。
その登場時から特急の481系を次々と凌駕し、全国で活躍する
583系の絶頂期までを知っている筆者にとって、特急からの急行への
格下げには一抹の寂しさを覚えたものだった。
「きたぐに」や「急行津軽」などの急行へ格下げされる前、出来ること
ならば急行として長く活躍してほしいと思う反面、特急の威厳を
保ったまま引退をと願ってしまったのは筆者だけなのだろうか。
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category: (HO)583系