20系寝台客車シリーズ詳細情報3
「ナシ20」、そして2等座席緩急車「ナハフ20」と「ナハフ21」の
詳報をお届けします。
当時「特急」が付く列車には、長距離を走る夜行に限らず、
必ずと言っていい程、食堂車が連結されていました。
「特急列車に乗ったら食堂車で食事を楽しむ」
そういう時代の風を一身に集めていたのが「マシ20」でした。
ちなみにマシ20は4人掛けテーブルで定員が40名です。
富塚通信でも以前紹介したことがあったかと思いますが、
「カシオペア」のダイニングカーの定員が28名。「トワイライト
エクスプレス」のダイナープレヤデスの定員も同じく28名。
こうしてみると20系の食堂車「マシ20」の食事時などは、
乗客でごった返し、きっともの凄い熱気だったことでしょう。
また、座席車「ナハフ」も登場時は、なかなかの人気だったようです。
現在では座ったままの長距離移動は格安夜行バスの専売特許となって
います。しかし当時の人にとって、座席車での乗車だったなどという
事実は、「20系寝台特急に乗車したんだ」という満足感の前では些末な
問題に過ぎなかったのかもしれません。そして、そんな気持ちは
今の時代でも十分理解することが出来ます。
さて、メイクアップシールではナハフの座席を完全シール化。
また、食堂はナシ20は食堂はもとよりオール電化厨房のディティール
再現に注力しました。
特にナシ20は、日本車輌と日立製作所の2社が製造を行っており、
内装デザインが若干異なります。
今回のブログでは、こうしたところを中心にご紹介していきたいと
思います。
◎ナシ20◎
冒頭オール電化という言葉を使用しましたが、当時のマシ20の
宣伝記事等を見てもオールではないものの「完全電化」という
キャッチコピーが踊っています。
また、先述の通り日本車輌製が29両、日立製が7両製造され、
それぞれ室内デザインが異なるという点でも注目を集めました。
そこで今回のメイクアップシールでも、模型の車両ナンバーに
合わせて、
・「20系 特急形寝台客車 7両」→日本車輌仕様のデザイン
・「20系 さくら 7両」と「20系 寝台特急 さくら
長崎・佐世保 12両」→日立製仕様のデザイン
という風に、シールの方のデザインも作り分けてあります。
◎ナシ20 日本車輌製◎




◎ナシ20 日立製◎




◎日本車輌製と日立製車両の比較◎


左:日本車輌製 右:日立製


左:日本車輌製 右:日立製


左:日本車輌製 右:日立製

ナシ20 フィルムシールデータ 拡大画像
メイクアップシールでは、厨房の入り口部分、食堂の厨房反対側の壁面、
また厨房内の壁面を日本車輌製と日立製のナシ20でそれぞれ作り分けを
行いました。
日本車輌の厨房と食堂部分にはドアが取り付けられていませんが、
日立製のナシ20にはシルバードアが設けられています。
また食堂壁面のカラーが日本車輌と日立では異なっています。
しかし何と言ってもご注目頂きたいのは、厨房部分壁面の
作り分けです。食器棚の配置は勿論、足元の戸棚の取っての
違いまでこだわった製作を行いました。

ナシ20 厨房内オプション製作シール
また、厨房内はプラバン加工で、厨房台、流し台、業務用冷蔵庫
といったナシ20が誇るオール電化厨房を立体的に製作することが
可能となっています。
特に、今回の20系客車メイクアップシリーズでは、上記の
オプション製作を「プラバン加工」もしくは「厚紙製作」どちらか
お好きな作業方法をお選びいただけます。
製作室としましては、従来通りのプラバン加工の方を、強度的にも
お勧め致しますが、作業の手軽さでは製作用紙を折り曲げるだけで
作業が出来る「厚紙製作」の方に軍配があがります。

メイクアップなし オリジナルのナシ20
いずれにしましても、是非ナシ20の厨房内再現にチャレンジして
頂ければと思います。
◎ナハフ20◎
ナハフは20、21ともに車内の内装よりも、そのエクステリアの方に
話題が集中しやすい客車です。
1965年以降、ナハフ20はナハネフ20やナハネ20に改造されました。
メイクアップシールでは、「20系 さくら 7両」に含まれています。



◎ナハフ21◎
「さくら」編成はもとより、「はやぶさ」「みずほ」等でも用いられました。
客室はナハフ20と同じくナハ20を準拠としていますが、定員はナハフ20より
8人少ない60名となっています。
メイクアップシールではナハフ20と同じく、「20系 さくら 7両」に
のみ含まれています。



ナハフは、車両中央のグリーンの床にブルーモケットの最もスタンダードな
座席をシール化。またナハフ21の車端の壁面は、実車スケールでみると
写真右側の位置にきます。写真の様に、模型の成型に合わせて本来は存在
しない全ての座席をシール化しつつ、実車ベースの位置に壁面を製作する
ことも可能となっています。
(※従いまして写真の壁面取付位置は、間違っているわけではありません)
さて、今回取り上げました「ナシ20」「ナハフ20」「ナハフ21」の3両は、
前日の富塚通信で取り上げたA寝台客車が、後の寝台列車の本流となって
いくのに対し、車両が製造された1960年代以降、徐々にその活躍の場を
失っていきます。
ナハフは、登場から10年を経ずしてナハネフに改造され始めたのは
既に触れた通りですが、確か20系の全客車の中で最も早く廃車を出した
のがナシ20であったように記憶しています。
衰退の理由は、ナハフに関しては寝台ベッド化の推進。食堂車の方は、
列車の運行速度の高速化等から食事をとる必要性が減少していったこと、
またスタッフ人員を含めた車両の維持費の負担といった具合に、細かく
分析していけば色々な原因が挙げられます。
しかし、突き詰めていえば衰退の1番大きな理由は利用者離れが進んだ
というのが要諦であったと思われます。
こうしてみると時を同じくして製造された20系編成の客車の中にも、
現実に翻弄される客車の姿を見て取ることが出来ます。
鉄道ファンとしては、せめてレイアウトの上では利用者離れなど
気にせずに、全車輛分け隔てなく走行を楽しみたいものです。
さて次回の詳報4は、いよいよ「マヤ20」と「カニ21」「カニ22」の
電源車トリオです。お楽しみに。
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コメント
情報です
KATOの20系ナシ20ですが、「さくら」セットが日立製作所製の50番台ですが、それ以外のセットでは0番台の日本車輌製になっていることを確認しました。
臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」 #qcsrN/5E | URL
2022/06/04
* edit *
>>臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」様へ
情報ありがとうございます。
以前のブログでもご紹介させていただきましたが、
私どもでもその点は意識し、下記の通り、車内の一部
シールに作り分けを行っております。
「20系寝台客車」(各種)→日本車輌仕様のデザイン
「20系 さくら 7両」及び、「20系 寝台特急 さくら
長崎・佐世保 12両」→日立製仕様のデザイン
製品模型の車両に合わせた内装の作り分け再現を
お楽しみいただけます。
また何か情報がございましたら、是非お知らせください。
富塚商会 #1Fd9Ny5M | URL
2022/06/04
* edit *
新たな情報
ナロ20についてですが、日車製と日立製とでカーテンが異なり、前者がロールブラインドのような巻上式カーテン、後者が横引きカーテンになってました。
この相違は再現されてますでしょうか?
臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」 #fyXWVVdU | URL
2022/06/27
* edit *
>>臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」様へ
「ナロ20」製造メーカーの違いによりカーテンの仕様が
異なっていたという新情報、誠に有難うございます。
私どものカーテン・ブラインドシールでは、日本車輛の
ロールブラインド仕様のデザインにて再現を行っており、
残念ながらこの点の相違につきまして、作り分けは
行っておりません。
また、当方にて日立製のナロ20の室内カーテンが写った
資料も持ち合わせていない為、デザイン化が難しいと
いうのが正直なところです。
この点につきましては、今後意識して情報の収集に
努めたいと考えております。
貴重な情報をお寄せいただき、ありがとうございました。
富塚商会 #1Fd9Ny5M | URL
2022/06/27
* edit *
ナロネ20問題ほどでもないにせよまた新たな問題になりましたね…
タイトルの通り、ナロネ20日立製に次いでナロ20日立製の車内カーテンの相違の画像を探さなければならなくなりましたね…。
さらに入った新事実ですが、ナロ20はナロネ20やナシ20のように、座席の色も違うように見えるとの情報も頂きました。
画像を見つけて教えたからと言って反映されるとは限りませんが、それでも資料的価値の高いものになると思うので、日立製ナロ20のカーテンおよび座席のカラーでの画像が見つかり次第、白黒カラーを問わずにご紹介したいと思います。
ましてや今回のセットはKATOの20系客車にセットされるナロ20としては初の日立製(番号が54.過去の製品は日車製の1と2と5の3種類)になるので横引きカーテンの再現は必須になりましたしね。
臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」 #qcsrN/5E | URL
2022/06/28
* edit *
…と思ったら白黒写真1枚のみで分かりにくいながらもナロ20の室内写真があっさり見つかりました
検索した結果ですが、ナロ20日立製の白黒写真1枚だけですが、何と日立公式サイトのコンテンツ内にある「日立評論」のバックナンバーのページ「1958年」を経由して「1958年12月号」ページにあった「特急“あさかぜ”(PDF形式、6.12Mバイト)」をクリックすると出てきました!!
こちらです!!
https://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1958/12/1958_12_10.pdf
これはちゃんとした日立公式のサイトなので信頼できる出典です。
なお上記PDFページは10ページありますが、その3ページ目の「第4図 二等客室」の写真がまさにナロ20の室内写真で、横引きカーテンを採用していることがこれでお判り頂けたかと思います。
なおその下に「第5図 三等客室」の写真としてナハ20かナハフ20かは不明ですが、3等座席車の写真も添付されていましたが、これは日本車輌製同様のロールブラインドのような巻上式カーテンでした。
ですのでナハ20とナハフ20については日車製と日立製との差異はあまりないと思われ、これは変更しなくてもいいでしょうね。
後はナロ20の日立製の車内の座席とカーテンの色が何だったのかがわかれば無事解決しそうです。
またこのサイトにもナロ20日立製50番台の写真が白黒で何点かありました。
http://pcdc.cho88.com/HP/iro/irofu.htm
臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」 #qcsrN/5E | URL
2022/06/28
* edit *
>>臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」様へ
この度は貴重な資料情報をありがとうございます!
昨日の今日でこうもあっさりと参考写真が発見された
こと自体驚きですが、まさか日立の公式データとして
ここまで、価値の高い資料が公開されていた事に
驚きを禁じ得ません。
また、最後にお教えいただきましたサイトに掲載されて
いたお写真も拝見いたしました。
形状については分かりましたので、あとは色についての
情報があればとは思いますが、日立の公式資料でも
モノクロ写真である事を考えますと、やはり時代的に
カラーの写真は存在しないのかもしれません。
となりますと、もし今後カーテンを更新する機会があれば、
同時代の列車などを参考の上、こちらの推測で色を決定
するというケースになるかもしれませんが、この件に
つきましては、今後も継続調査を行って参ります。
富塚商会 #1Fd9Ny5M | URL
2022/06/28
* edit *
外部の方より有力な情報を先程頂きました!!
後はナロ20のカーテンやシートモケットなどの色のカラー写真を探すために画像検索を試みたのですが、条件を変えても先日のサイト以外にヒットしませんでした。
しかしここで新たな情報が入りました!!
RM MODELSの1996年3月号と4月号で少しのみ20系客車の記事があり、この内前者の号に国鉄と日立が連名で当時出していた20系客車のカタログが縮小版ながらも転載していると言う情報が今から10分程度前にうちにeメールで提供がありました。
このカタログは日立が監修をしているので日立製の50番台しか掲載されていないとのことで、また私もこの本の内容は未確認なのですが、そこに少しでもカラー写真があればもしかしたらナロネ20問題やナロ20問題も一気に解決に向かう可能性が出てきたので、朗報でした。
後はそこにカラーのイラストか内装写真があることを祈るのみです。
臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」 #qcsrN/5E | URL
2022/07/02
* edit *
追加情報でございますが、
2等座席車や3等座席車どころか、寝台車のシートモケットの色も日車製と日立製とで異なるとの情報も同一の方よりメールで頂きました。
現に北海道の狩勝にある日立製のナロネ21(50番台→550番台)とナロネ22(150番台)のシートモケットは緑色でしたし。
私も20系客車を長年研究していた身分なのにモケット色までは興味がなかったので40年近くもこの部分を見落としていたり気が付かなかったのが情けない限りですが、それはともかく、と言うことはもし日立製の内装の全容が解明された場合は、規模にもよりますが、これは現行のメイクアップシールの修正程度では済まず、もしかしたら食堂車を除き日車製の内装を基本としている現行製品を発売中止して、食堂車以外の部分についても日立製のそれを反映させる必要もありますし、また編成により日車製と日立製とが混在している場合は、両方の仕様を収録した内装のステッカーに全面的に切り替える必要が生じて来ました。
さらに言えばこの仕様変更で価格の値上げも止むを得ない状況になる可能性もありますね…。
臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」 #qcsrN/5E | URL
2022/07/02
* edit *
ナロ20日立製の室内動画発見です。と言っても数秒程度しかない上にカーテンの色が鮮明ではないですが…。
タイトルにあるようにナロ20日立製のカーテンがほんの少し映っている動画が見つかりました。
これは本来は著作権法違反なのでしょうが、日立製作所が制作し(洒落で言っているのではなく真面目な話)国鉄が協力した、テレビと比較してカラー放映の技術が先行していた(1958年時点ではまだテレビでのカラー放送は試験を開始したばかり)とは言え、当時は映画でも珍しかった総天然色=カラーの映画である「特急あさかぜ」(1958年制作)の映像が個人によってアップされており、その中にナロ20日立製の車内がわずか数秒程度ながら映ってました。
カーテンの色はこの映像で参考になるのかどうなのかは不明ですが、下記URLの14:01~14:12頃にナロ20日立製の車内がごくわずかに映っていました。
https://www.youtube.com/watch?v=6_J2O8pNXrQ
また、ナロネ21(ユーザー説明はナロネ20とあるがあの形式は開放寝台は1つたりともないので明らかにナロネ21の間違い)とナシ20の車内の様子もありますが、日立製のナロネ21のカーテンはこの映像を見る限りでは緑色の模様でした。
後は日立製の寝台や座席モケットが日車製と異なっているのかこちらも継続調査をします。
以上、取り急ぎ報告でした。
臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」 #qcsrN/5E | URL
2022/07/02
* edit *
有力な情報をありがとうございます!
>>臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」様
先日に続き、有力な情報をありがとうございました。
確かにモケットの色味も日車製と日立製とでは異なる
可能性は高いですね。
これまで様々な車両の内装を調べてきましたが、国鉄時代の
古い車両はご存じの通り資料自体が少ないことに加え、
特に運用期間が長い車両については全検やアコモの際に
異なるモケットに新調されるケースが見受けられます。
また、現存している車両や、比較的後年の車内資料などでは、
モケットが傷んだり、擦り切れていたりして、製造時の
正確な色味が判断できないことも少なくありません。
当店のシールデザインは上記のような事情などから、
広く一般に認知されている(と思われる)車内の再現を
基準とする場合がございます。その為、製品によっては
模型のプロトタイプと車内内装が完全に一致しないという
ケースもございます。
ご指摘のように、日車製と日立製とで車内内装に大きな
相違点のある事が明確に判明した場合、現行のライン
ナップを抜本的に見直す事に繋がる可能性もありますので、
その点は当店の製品化基準に照らし合わせ、慎重に判断
したいと思います。
尚、ご連絡いただきました動画のカーテンにつきましては、
確かに鮮明な色は分かりませんが、大まかな色味の方向性を
知る上では大変参考になりました。
富塚商会 #1Fd9Ny5M | URL
2022/07/02
* edit *
20系客車日立製の内装など
http://c5557.photoland-aris.com/karikati20kei.htm
こちらの個人サイトの画像ですが、北海道で唯一現存しているナロネ22とナロネ21はいずれも日立製で、画像を見る限りでは今でも緑色のモケットの状態だそうです。
日立製ウォータクーラ-=冷水機も原型で残ったままでした。
20系日立製内装に関して、途中経過ですが、一旦ここで判明分を一部のみですがまとめてみたいと思います(ただし既に製品に反映されている食堂車部分は省略)。
ナロネ20内装色については日車製は木目調でシート地緑色に対して日立製はクリーム色の壁材でシート地は橙色(ナロネ21とナロネ22の開放寝台は緑色。ナロネ22の個室側内装は不明)。
ナハ20とナハフ21売店のデザインが日車製と日立製とで一部異なる。
ナロ20カーテンは日車製は3等車のナハ20・ナハフ20・ナハフ21とほぼ同じと思われる巻上式ロールカーテンに対して日立製は優等車らしい緑系?の横引きカーテンを採用。
20系全形式共通事項かつ内装とは無関係だが、日車製は三菱電機製冷房装置を、日立製は当然ながら自社の冷房装置を採用。
その他もあるにはありますが、まだ調査中なので記述は控えます。
以下レス
>国鉄時代の古い車両はご存じの通り資料自体が少ないことに加え、特に運用期間が長い車両については全検やアコモの際に異なるモケットに新調されるケースが見受けられます。
確かに後年の特別保全工事と言う名(国鉄がこの名称を制定)の延命工事でそうなる場合もありますが、国鉄時代にはモケットの色が変わるケースは意外にも多くなかったのは幸いでしたね。
国鉄では基本的に1形式ないし1区分番台の中では落成当初の段階では統一する傾向にある(国鉄では営団や大手私鉄あるいは現在のJR系の会社とは異なり全国規模だったこともあり部品を標準化する思想を持っていた)のですが、このように20系客車など一部に例外(20系でのその例外の内容だが、メーカーのアイデアをある程度反映させていた)があり、そうなると例外がある分調査すべき内容が多くなり(私は2005年以降諸事情で鉄道趣味を模型及びそれに付随するもの以外大幅に縮小しましたが)、時に面倒かつ厄介になったりしますね。
幸いにも私の場合は20系を小学校低学年の頃より研究していたこともあり、この点の調査は苦にはなりませんでしたが、しかし転居に次ぐ転居で資料が紛失したり逸散したりした場合には、再度調査する場合は最初からやり直さなければならない(今回調査に手間が掛かっているのもそれが最大の理由)のが難点ですね…。
>現存している車両や、比較的後年の車内資料などでは、モケットが傷んだり、擦り切れていたりして、製造時の正確な色味が判断できないことも少なくありません。
モケットは定期的に取り換える場合とそうでない場合(特に1970年代は労使関係の悪化によってそれに比例して労働環境の悪化でモケットが傷んでも取り替えないケースが続出していたらしい)とがありますしね…。
後者の状態かつ経年劣化した状態の写真資料になると色がわかりにくくなりますしね…。
せめてカーテンやモケットの色が車両の図面に書かれていればいいのですが、公表される図面では情報公開に比較的積極だった旧国鉄ですらさすがにそこまで書かれているものはあまり公表してませんでしたしね…。
>当店のシールデザインは上記のような事情などから、広く一般に認知されている(と思われる)車内の再現を基準とする場合がございます。
えぇ。それは深く承知しておりますのでその点はご安心頂ければ幸いであります。
そのため私は以前より何度か言ってますが、情報提供をしたからと言ってそれの採用やひいては製品化を押し付けることはできないと言うスタンスを持っている一方で、資料的価値の高いものについては例え製品化不採用であっても情報提供すべきだと言う、ある意味相反する考えではありますが、そう言う考えもありますよ。
>その為、製品によっては模型のプロトタイプと車内内装が完全に一致しないというケースもございます。
後は実車と模型とでは(製品の部品yz製造上の都合で)座席の数や様式が異なっていたり(これは製造工程上止むを得ない場合もあり、逆に純然たるエラーの場合もあるが)する場合もあるので、一致しない場合もあるのはある程度は仕方がないと思ってますね。
>日車製と日立製とで車内内装に大きな相違点のある事が明確に判明した場合、現行のラインナップを抜本的に見直す事に繋がる可能性もあります
その機会があるとすれば、日立製内装問題が一定数解決した後、KATOが20系の新製品を出す際のタイミングになるのでしょうが、ただこれは初期編成の第2弾のセットを先日出したばかりなので、最低でも向こう1年程度は他の列車のセットを含めてないと思いますが、それまでに、可能な限り日立製内装のカラーの資料を何らかの形で提供したいと思います。
その際には現行製品も一部を日立製の内装を反映させたものにリニューアル(あるいはユーザー側がお好みでと言うか市販インレタの使用で日車製0番台を日立製50番台にすることも充分にあり得るが)して欲しいと言う要望も私以外の方より相当数出る可能性もあるとは思いますが、私は製品化にまでは立場上口出しすることはできないので、これに付きましては富塚商会さまにご一任したく思います。
長々となり失礼しました。
なお「RM MODELS」1996年3月号に20系日立編成の写真入りカタログが掲載されていると言う情報を以前に書きましたが、これの事実関係も同時に調査したいのですが、同雑誌がなかなかBOOKOFFなどの古本店にないのがつらいですね…。
入手後、掲載カタログが使えるものだと判断した場合は富塚商会さまにこの雑誌を無償で提供したいのですがね…。
臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」 #qcsrN/5E | URL
2022/07/03
* edit *
>>臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」様
この度は早速にご返事いただき、ありがとうございました。
尚、モケットの経年劣化や、それに伴う全般検査による
車内設備の換装につきましては、20系寝台客車を含めた
鉄道車両全般に関する当方の印象である事、お含みおき
いただけると幸いです。
さて、「RM MODELS」の1996年3月号につきましては、
情報のコメントを頂戴した日に少しばかり探しまして、
販売中となっていた中古書店を発見しましたので、
早速発注を致しました。
現在は先方にて在庫を確認中です。取り扱いがあれば
近日中には入手できるはずです。
この件につきましては、また改めてご報告いたします。
富塚商会 #1Fd9Ny5M | URL
2022/07/03
* edit *
レス
>モケットの経年劣化や、それに伴う全般検査による
車内設備の換装につきましては、20系寝台客車を含めた
鉄道車両全般に関する当方の印象である事、お含みおき
いただけると幸いです。
それは重々承知していますのでご安心を。
しかし余計なお金を掛けさせてしまったことをお詫びしないといけませんね…。
私が購入して確認後に無償提供しようかと思っていましたのでねぇ…。
なお調べてみると個人ブログ掲載の画像ではこんな感じにカタログが載っていたそうです。
https://blog.goo.ne.jp/torinosanpo/e/afa41d59851337b475df10ba2e875560
またうちの別名でやってるTwitter(ここでは伏せる)では20系の英文カタログの写真をご提供してくれた方もいました。
この写真も公開できればする予定でございます。
臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」 #qcsrN/5E | URL
2022/07/04
* edit *
>臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」様
先日はコメントありがとうございました。
さて、早速ですが「RL MODELS」1996年3月号、無事に購入
する事が出来ましたので、内容についてご報告申し上げます。
掲載されていたパンフレットは鉄道車両の設計で有名な星晃氏の
提供によるもので、4ページにわたって紹介されていました。
時代のせいなのかカラーとモノクロ両方の画像が使用されています。
結果としては、まず2等寝台車(A)=ナロネ20は寝台座席・ベッドの
モケットはいわゆる茶モケット。カーテンは横引き仕様で色はオレンジ
がかった茶色でした。茶モケットの寝台座席・ベッドの色味を少し
明るくした印象です。
2等寝台車(B)=ナロネ21の座席はグリーンモケットでした。
カーテンがしっかり写っている画像は残念ながらモノクロでしたが、
もう1枚あるカラー画像には、カーテンの端の部分が一部写っており、
先のナロネ20と同一のカーテンである事が見て取れます。
また、ナロ20は座席モケットとカーテンが同じ色調で統一されて
いました。色は薄いブルーで、一般的な青モケットとは異なります。
例えるならば、千草色が近いように思います。
ちなみに食堂は色味の強い茶色のカーテンでした。
文章で表現するのは少し難しいのですが、誌面の画像を当方のブログに
転載する事は致しかねますので、何卒ご理解のほど、お願いします。
今回、お寄せ頂きました情報から、貴重な資料を実際に確認することが
出来ました。改めましてお礼申し上げます。
富塚商会 #1Fd9Ny5M | URL
2022/07/06
* edit *
多忙で返事が遅れ失礼しました
情報ありがとうございました。
一応、旧2等寝台の日立製資料不足問題はこれでひとまず解決と言うことになったのでしょうか?
もしそれでも情報が不足している部分があればまた調べたいと思います。
臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」 #qcsrN/5E | URL
2022/09/01
* edit *
>>臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」様
ご丁寧にコメントいただき、ありがとうございます。
今回のカーテンの件を通して、当時の各車両のカーテン形状や
色味を厳密に調べる事が、どれほど大変であるか改めて痛感
いたしました。
と同時に、まさかこれほど史料価値の高い情報が、26年も前の
鉄道模型誌に掲載されていたという事実に驚きを隠せません。
本件につきましては、これ以上の資料を発見するのは難しそう
ですので、一応の解決とさせていただきますが、また思わぬ
ところから新たな情報が見つかってほしいとも思っております。
富塚商会 #1Fd9Ny5M | URL
2022/09/01
* edit *
大変な苦労を伴った私も勉強になりましたよ
国鉄としては珍しく客室内の仕様を統一していなかった上に日立製の資料がかなり少なかったことが調査の障害になりましたが、この経験が今後の製品リニューアルあるいは新規製品の開発にお役に立てることができれば嬉しい限りですよ。
また私も国鉄時代の車両を中心に、場合によってはJRや大手私鉄の客室内の資料提供もしたく思いますよ。
臨時特急「ひびき」・準急「ゆきぐに」 #qcsrN/5E | URL
2022/09/02
* edit *
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